巨人のキャプテンは強靱(きょうじん)なイケメンだ。坂本勇人内野手(33)が、1号決勝ソロで今季初の伝統の一戦に先勝した。1回に阪神藤浪の内角球を軽々と捉え、先制弾を左中間席に放り込んだ。開幕直前に左脇腹痛で離脱し、3月27日に復帰。5試合で1本塁打を含む6安打3打点で打率3割5分3厘と快調に滑り出した。リーダーの1発に打線も続いて、虎を押し切った。4連勝で広島と並び、今季初の首位に浮上した。

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モノトーンの復刻ユニホームをかっこよく着こなす。初代プロ野球日本一を争った1936年の偉大な先人たちもそうだった。86年前は、沢村栄治が巨人を引っ張った。令和に入って3度目の春、坂本がキャプテンとして巨人の先頭を走る。満開の桜が映えるイケメンは「すごいかっこいいです。歴史を感じながらプレーさせていただきました」とうれしそうに言った。

1回1死、阪神藤浪の153キロ内角直球を振り抜いた。内角球のさばきは球界屈指の達人芸だ。鮮やかなスイングで軽々と左中間席に1号先制ソロを放り込み、「今シーズン初の伝統の一戦でやはり独特の緊張感はありました。しっかりと一振りで仕留められて良かったです」と意気揚々とダイヤモンドを周回した。

「思ったよりいいね」。開幕を2日後に控えた3月23日、左脇腹痛で1軍から離脱した。ジャイアンツ球場での調整を再開した初日だった。開幕戦の欠場が決まったが、ランニング強度は離脱前を維持した。軽めのキャッチボールを終えて、ロッカールームに引き揚げるときの一言は、とてつもなく前向きだった。

開幕3戦目、3月27日。わずか4日間の“リハビリ”を経て1軍に電撃合流した。戦列復帰後は水を得た魚のごとくグラウンドで躍動した。復帰初戦でいきなり4安打猛打賞の全快発進。前カードのヤクルト戦は1安打も4四球と相手に脅威を与え続けた。

キャプテンの快音に打線が連なった。ポランコが2者連発の2号ソロで追加点。オープン戦は思うようにつながらなかった打線が、開幕後は面白いように連なる。4回までに怒濤(どとう)の大量6得点で主導権をわしづかみした。「ポランコが続いてくれたことによって、いい流れを作ってくれました」と坂本。思ったより早かった1軍復帰が、チームの開幕ダッシュへと導いている。【為田聡史】