日本ハム伊藤大海投手(24)が、“ハルキ封じ”で今季初勝利を目指す。8日楽天戦(札幌ドーム)で、今季2度目の先発マウンドへ。昨季まで同僚だった盗塁王、楽天の西川遥輝外野手(29)の足を最大限に警戒。けん制球は「しつこく行きます」と宣戦布告し、「疲れさせます」と不敵に笑った。中5日での先発。大事なカード頭を託され、チームに今季初の2連勝をもたらす。

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昨季は味方だった先輩が、今季は最大の敵となって立ちはだかる。8日楽天戦で先発する伊藤が、今季から楽天でプレーする昨季盗塁王の西川に、恩返しの“返り討ち”を誓った。「フォアボールが一番面倒くさいので、(勝負の)1球で終わらせられるように打たせて行きます」。与四死球での無駄な出塁は厳禁。凡打で仕留めるイメージを膨らませ、さらに出塁を許してしまった際にも「あまりリードは取らないんじゃないですか? (けん制球は)しつこく行きますよ。疲れさせます」と、ニヤリと笑った。

昨季までは頼もしい同僚だった。外野の守備位置から常に投手を観察していた先輩から、プロで生きていくすべを教わった。「投げるたびにアドバイスをもらっていた。『このカウントだったら(打者は)やっぱりこれを狙っちゃうよね』みたいな」。ルーキーイヤーを助けてくれた金言は、どれも「すごく覚えている」。プライベートでは「誕生日前に『完封したら2個あげる』って。完封しちゃって、2個もらいました」と、プロ初完封と誕生日祝いのスニーカーをプレゼントとして受け取った。

前回先発した2日オリックス戦(京セラドーム大阪)は6回6安打2失点と好投も、打線の援護がなく敗戦投手に。今季初勝利、さらにはチームにとって今季初の2連勝へ向け“ハルキ封じ”へ「裏の裏をつけるように頑張ります」。互いに手の内は知っているだけに、駆け引き合戦に注目だ。【中島宙恵】