ロッテ投手陣が2試合連続で「0」を並べた。ソフトバンク戦(長崎)で先発エンニー・ロメロ投手(31)が7回、西野勇士投手(31)と益田直也投手(32)が各1回を抑え、見事な完封リレー。10日に完全試合を達成した佐々木朗希投手(20)の勢いをつないだ。西野には948日ぶりに白星が付き、益田は通算600試合を笑顔で達成。チーム一丸で激戦パを戦っていく。

【ニッカン式スコア】12日のソフトバンク-ロッテ戦詳細スコア

守護神益田が帽子を浅くかぶり直せば、それがロッテ勝利の瞬間だ。2試合連続で、ゼロで守り抜いた。600試合登板で記念ボードを持った益田は、「打たれても(節目の)登板だから、イヤで。ちょっとフワフワ、緊張していました」と長崎の夜空に笑顔を輝かせた。

助け合う-。そう誓ってシーズンが始まった。9回、二塁を守る中村奨の失策でピンチが広がる。「奨吾がああいう形になって、何とかカバーできればと思って必死に投げました」。選手会長が球威で押し込み、キャプテンがリベンジする好プレーにもつなげた。

佐々木朗が完全試合をやってのけた。ベンチ裏で目を丸くした。「別格なので、彼から刺激はもらうことはないですけど」と笑いながら、「まぁ、雰囲気がいいのでなんとかみんなで競争してやりたい」と一丸を喜ぶ。試合前は、リリーフ仲間の西野と和やかムード。任務を果たし、その西野に復活白星をもたらした。

「チーム一丸」は勝利と結果が伴ってなお、強固なフレーズになる。今季14試合のうち、先発投手が12試合でQS(クオリティースタート=6投球回以上自責3以内)を達成。昨季は被本塁打の多さに泣いた。今季は12日終了時点の被本塁打3本は12球団最少だ。井口監督は「木村投手コーチになって、どうやってカウントを持っていくかという、いろいろなミーティングをしながら、結果で出ているので」と改善に手ごたえを感じている。

1人でもゼロ、つないでもゼロ。若手捕手の松川、佐藤都もこの短期間で一気に経験値を積み、頼もしさは増すばかり。益田も西野も、佐々木朗も、長年の努力の積み重ねがあってこそ、輝ける。「しっかり目先の1つのアウトを取れるように」と益田。急斜面の長崎を1歩ずつ上るように、慎重に。すばらしい景色は最後に待つ。【金子真仁】