日本ハム新庄剛志監督(50)の初のカード勝ち越しは、あと少しで届かなかった。

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西武5回戦(ベルーナドーム)で、3-4と競り負けた。4回からマウンドに上がった2番手の吉田輝星投手(21)は、2イニングを無安打無失点。体を張って味方のミスをカバーする“ど根性プレー”で西武打線の勢いを止めた。攻撃陣も石井一成内野手(27)の2号2ラン&適時打で猛追したが、1歩及ばず。連勝は2で止まった。

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3-4の9回無死一、二塁。「最低でも同点じゃなく逆転」と、BIGBOSSは勝負に出た。遊撃の名手、西武源田のミスもあって転がり込んだ大チャンス。この日、右越え2ランに中前適時打と日本ハムの全3打点をたたき出していた石井が送りバント。1死二、三塁と一打逆転の形を作って、代打ヌニエス、9番万波にかけたが、1本が出なかった。「あそこで逆転しておかなアカンね。相手のミスを利用して、こっちに持って来る。勢いに乗らないといけなかった」。イメージ通りにならず、悔しがった。

負けはしたが、勝利への執念が、若いチームには充満している。4回から2番手でマウンドに上がった吉田が、2イニングを無安打無失点。5回1死では、一塁手の清宮がはじいたゴロをナイスキャッチし、腹ばいになって一塁ベースへ飛び込む“ど根性プレー”で、山賊打線の勢いを止めた。ユニホームが泥だらけになった背番号18は「あれはキヨさん(清宮)が悪いです」と苦笑いし「(ベースまでの)距離が遠すぎて、地面でバタフライをしてしまった」。中継ぎでは開幕から4試合連続無失点中の21歳の気迫が、その後の救援陣に乗り移った。

今季初のカード勝ち越しは、おあずけに。新庄監督は「かみ合ってきたよね。追い付いて、面白いゲームにはなったと思う」と手応えを口にしながらも「スッキリしない試合」。頭の中では逆転勝ちのシナリオが描けていただけに、表情は晴れなかった。【中島宙恵】