らしさを欠いた広島が巨人との首位攻防第1ラウンドに敗れ、4日ぶりに首位から陥落した。先発九里は立ち上がりからテンポが悪く、守備も乱れて失点。攻撃では得意の走塁にミスが出るなど、つなぎが機能せず1点止まり。今季2度目の2連敗でセ界トップを明け渡した。佐々岡真司監督(54)は好調時のカープ野球に立ち返り、リベンジでの首位奪回を誓った。

【写真たっぷりライブ速報】セ首位攻防戦 巨人―広島

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黒にのみ込まれるように、赤の勢いが失速した。広島が得意とする走塁でミスが出て攻撃の勢いを止めると、立ち上がりからリズムに乗れない先発九里の投球も立ち直れない。さらに守備も乱れて、中盤までに3失点。巨人との首位攻防第1ラウンドは走攻守にらしさを欠き、2位に転落した。佐々岡監督は「(投球から)リズムが悪くなったところもあるだろうけど、もう1回ここは引き締めてやっていかないといけない」と原点回帰の姿勢を求めた。

序盤からリズムを乱した。今季安定した投球を続けていた九里が厳しい判定もあり、球数がかさんだ。1回は無失点も1イニングで3四球。3回に2ボールから坂本に先制ソロを浴びると、4回まで球数は83球を要した。テンポの悪さが守備にも伝染したように、1死一、二塁から三ゴロに三塁ベースを踏んで一塁送球を狙った坂倉がベースを踏む前に落球。さらにマクブルームがファウルになると判断して見送った一塁線に弾んだゴロがフェアとなる負の連鎖で失点を重ねた。

つなぎの攻撃もミスから勢いを止めた。両軍無得点の2回。無死一、二塁から会沢の右翼フェンス際の飛球に、二塁走者マクブルームが判断ミスでタッチアップできなかった。0-1の5回は1死から右翼線の当たりに三塁を狙った大盛がタッチアウト。東出野手総合コーチは「走塁ミスが2つ3つあったら、流れはこっちに来ない」と自分たちで手放したミスを嘆いた。

今季2度目の連敗に、佐々岡監督は「こういうミスは反省して、次に生かさないといけない。今までやってきた野球を継続してやっていく」とナインを鼓舞するように球場を後にした。まだ順位を意識する時期でなければ、ひとつの敗戦に下向くチーム状況でもない。今季示してきた広島らしさを取り戻すことができれば、勝機は自ずと見えてくるに違いない。【前原淳】