かわいい後輩と対戦相手として再会した。楽天西川遥輝外野手(30)が、7回1死走者なしで迎えた第4打席。マウンドには吉田輝星投手(21)が立っていた。日本ハム時代には、食事に何度も連れていった。オリックス山本由伸を引き合わせ「由伸になんでも聞け!」と背中を押したこともある。いつも気にかけ、面倒を見てきたが、昨季ノンテンダーにより、日本ハムを退団。楽天に加入し、優勝を争うライバルとなった。

【ニッカン式スコア】20日の楽天-日本ハム戦詳細スコア

初球、内角141キロの直球を見逃した。2球目の外角146キロ直球も見逃し。2ストライクと追い込まれ、3球目の真ん中低め148キロ直球を振ったが、力負けし遊飛に打ち取られた。三塁ベンチに引きあげる際、すれ違った吉田に何かを耳打ち。吉田は白い歯を見せていた。

かわいがっていた後輩との初対戦で先輩の意地を見せることはできなかった。「すごく悔しいです。3球とも真っすぐでしたが、特に首を振って3球勝負で投げてきたストレートで抑えられたのは本当に悔しかったです。ただ、彼の成長を見られたのはうれしいですね」。真剣勝負だからこそ、気付いたこともある。だが、勝利は譲るつもりはない。打率3割5分2厘はリーグ2位の数字。好調の打撃で後輩たちの挑戦をはね返す-。そんな“遥輝さん”であり続ける。【湯本勝大】