今季最多失点と大敗したが、長年苦しめられてきた天敵退治へ光が差した。日本ハムは24日ソフトバンク6回戦(札幌ドーム)で、新加入のアリスメンディ・アルカンタラ内野手(30)が、19年杉谷拳士内野手(31)以来となる左右両打席本塁打。チームはソフトバンク先発の東浜巨投手(31)に18年8月から9連敗を喫したが、アルカンタラだけは対戦打率8割超えとキラーぶりを発揮した。

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どうして、そんなに打てるのか? 日本ハムの新戦力、アルカンタラが、いとも簡単にチームの天敵東浜を攻略した。2回の第1打席で中前打を放つと、4回の第2打席では直球を捉え右翼席へ。1死一塁で迎えた6回の第3打席は、左中間へ追加点の適時打を放った。「得意とか不得意とかいう感覚はない」と言うものの、2度の対戦で通算6打数5安打4打点、3本塁打は立派な“キラー”だ。9連敗中のチームへ、東浜攻略のヒントを求めると「真っすぐからの対応で、変化球をしっかり見ていくといい」と、にこやかに話した。

三塁打が出ればサイクル安打達成だった8回の第4打席は、代わった左腕の笠谷から左中間へ5号ソロ。「左打席の感覚で(打席に)入った。三塁打を打てばサイクルだったので意識していたんですけど、それがホームランになってうれしい」。これが来日初となる右打席での本塁打で、チームメートの杉谷以来、3年ぶり史上20人目の左右両打席本塁打。初めての経験に「びっくりしています」と、目を丸くした。

試合前には、BIGBOSSの“勘ピューター”が活躍を予告していた。左手親指の付け根付近がはれていたが、新庄監督は「怖がらずに(バットを)振れば大丈夫。痛いから芯に当てようという集中力が出て、今日はいいかなと」と“ケガの功名”を予想。期待に応え、4打数4安打3打点の大暴れで、ソフトバンクに一矢報いた。

アルカンタラの2発でチームはリーグ最速で20本塁打に到達。「ウォシュレットとかトイレから水が出て来てびっくりしたけど、きれいになっている感じがして、すごくいい」と、日本文化に慣れてきた豪快なスイッチヒッターは、今後も苦手攻略のキーマンになるはずだ。【中島宙恵】

▼アルカンタラが4回に左打席、8回に右打席で本塁打。左右両打席本塁打は19年5月23日楽天戦の杉谷(日本ハム)以来20人、43度目。日本ハムでは87年白井一、99年フランクリン、04年2度、06、07年のセギノール、前記杉谷に次いで5人、8度目。