札幌6大学野球春季リーグが30日、札幌円山で開幕する。昨秋はコロナ禍の影響で1、2部の入れ替え戦が行われなかったため、秋2部優勝で自動昇格した北大を加え、同リーグ初の7大学で争う。札幌農学校時代の1901年(明34)創設の北大野球部が、18年秋以来の1部に挑む。

最速151キロ右腕のエース兼主将、宮沢太成主将(長野=4年)を中心にチームは全国ベスト8を目標に掲げている。「(自動昇格という形で)1部リーグでやらせてもらえることに感謝したい。歴代で一番強い代になりたい」と意気込む。冬場のトレーニングで最速は147キロから151キロまでアップ。プロ球団のスカウトも練習に訪れた。昨季は年間5勝を挙げ2部最多勝。「チームに貢献できたのは自信になった。上の舞台でできたらありがたいこと」とプロへの道は夢から目標に変わった。

宮沢の周囲には責任感あふれるメンバーも揃う。水産学部に在籍する永井翔大(しょうた)内野手(4年=札幌東)は3年時から函館キャンパスで学ぶ。金曜の夕方にバスで片道5時間かけ札幌に入り、土日の練習や試合後再び函館に戻る生活を続ける。「大変ですけど、4年生なので引っ張っていかないといけない」。昨季2部で年間首位打者に輝いた近江徹太三塁手(3年=県浦和)は「自分たちがどれくらいできるのか楽しみ」と胸を高鳴らせる。昨春からは、投球や打球などを数値化する測定器を使って選手への助言などを行うアナリストの桜井康裕さん(2年=北広島)も加入。「少しでもチームの役に立てたら」と全力でサポートする。

リーグ戦前最後の実戦となった23日の札幌学院大戦は2連勝と調子は上向きだ。19年10月に就任後、初めて1部で指揮を執る秋野禎木監督(62)は「念願というか、選手もワクワクしていると思う。ひと暴れしたい」。春は10年以来となるリーグ制覇を狙う。【山崎純一】

◆22年札幌6大学春季リーグ1部 コロナ禍の影響で昨秋は1、2部の入れ替え戦がなく、2部1位の北大が自動昇格。今季の1部は90年のリーグ創設以来初めて7大学で行われる。総当たり2回戦制で実施し、1節は30日から5月8日まで。30日は札幌円山で、東海大北海道-北大(午前8時30分)、北海学園大-札幌大(午前11時10分)、札幌大谷大-道都大(午後1時50分)。北翔大は試合なし。第2節は5月12日から同24日まで。札幌円山のほか、千歳市民、札幌麻生で開催を予定。優勝チームは全日本大学選手権(6月6日開幕、東京・神宮ほか)出場権を獲得する。

○…北海学園大が春2連覇を狙う。就任3年目の島崎圭介監督(50)は「1年生も多く入って新戦力も見えてきている。上級生とうまくかみ合ってくれると面白い」と期待する。昨春は30年ぶりにリーグ優勝し全国を経験したが、秋は東海大北海道と競り合いながらも2位に終わった。同監督は「前回秋にやられているので、なんとかやり返したい」と気合をみなぎらせた。