苦労人が夢の1勝を手にした。ロッテ小沼健太投手(23)が広島戦のリリーフで2回を投げ、うれしいプロ初勝利。「僕は独立リーグで4年間、苦しい中で頑張ってきたので、それが報われて良かったなって思います」。感慨深そうに広島の夜空へ声を響かせた。

先発河村が打ち込まれ3回から急いで準備し、4回にマウンドへ。1点を失ったが、打線が広島九里をKOした直後の5回は、中軸を3人で抑えて初白星の権利を得た。「走者がいない時のテンポを、もうちょっと速く」。木村投手コーチのアドバイスもあり、流れがどちらに転ぶか分からない中盤を切り抜けた。

BCリーグでの4年間、オフのたびにアルバイトに精を出した。千葉・九十九里浜のそばにある実家にもほとんど帰らない。住まいは家賃3万円の部屋。「ごはん食べさせてもらったり。周りの人に支えてもらったので」と、感謝の思いが何度も口をつく。阪神キャンプで打撃投手のアルバイトをしたこともある。今、自身がNPBの1軍で投げている。「今は1軍にいられて、幸せですね」。チームの3カード連続勝ち越しに貢献し、また1つ経験を深めた。【金子真仁】

◆小沼健太(おぬま・けんた)1998年(平10)6月11日生まれ、千葉県旭市出身。東総工では1年からベンチ入りも甲子園出場なし。BCリーグの武蔵、茨城を経て、20年育成ドラフト2位でロッテ入団。1年目はイースタンでリーグ最多の18セーブ。今季の開幕直前に支配下登録され、3月30日ソフトバンク戦でプロ初登板。今季推定年俸420万円。189センチ、86キロ。右投げ右打ち。

▼20年育成ドラフト2位で入団したロッテ小沼がプロ初勝利。育成ドラフト入団選手の勝利は通算30人目。ロッテでは西野勇士(19勝)本前郁也(1勝)に次いで3人目。

ロッテニュース一覧はコチラ>>