TDK(秋田・にかほ市)が日本製紙石巻(宮城・石巻市)を3-2で下し、3年連続の17度目の本大会(7月18日開幕)出場を決めた。1番打者・北畠栞人外野手(24=八戸学院大)が5打数4安打2盗塁の大活躍。1番打者としての役割を完遂した。

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不動の1番打者が初回からチームを盛り上げた。「自分が塁に出るだけでチームは勢いづく」と北畠。初回は甘く入ったフォークをセンター返し。2回には右前安打で出塁し、続く青木龍成外野手(25=東日本国際大)への1球目で二盗に成功。7回にも中前安打と、塁上での存在感が際立った。

9回表、貴重な追加点も北畠からだった。2死無走者の場面で、初球を右前安打。続く青木への1球目で二盗。青木の右前安打に相手の失策も絡み、一気にホームへ生還した。北畠は「本当に1点が遠い試合だった。なかなか点が入らず、守備でもピンチをしのいでしのいで、投手はもちろんですけど守る僕らも苦しかった。あの1点は本当にうれしかったです」と笑顔。普段はあまり叫ばない北畠だが「あの場面は叫んじゃいました」。込み上げる喜びを抑えられなかった。

佐藤康典監督(52)は「小木田(敦也)が抜けてエースがいない中で、優勝できたのは本当に感無量です。全員野球で勝てたのかなと思います」と勝利をかみしめた。昨年チームを支えた小木田は、昨秋ドラフトでオリックスに7位指名を受けてプロ入り。エースを欠いたが、この日は4投手の継投策で2失点と投手陣の粘投が光った。また打線の奮起も本大会出場に一役買った。2次予選は3試合すべてで2桁安打。指揮官は「一昨年からずっと使っている選手たちに自信がついてきた。使っている方も楽しい」と目を細めた。投打ともに成長著しいTDKが、3年連続の東京ドームで真価を発揮する。【濱本神威】