ヤクルト中村悠平捕手(32)が、自身初となるマルチ本塁打を放ち、3連勝に導いた。

1回、巨人菅野の初球をバックスクリーン左へ運ぶ今季1号3ランを放つと、3回にも再び菅野から左中間席へ2号2ラン。プロ14年目で初の1試合複数本塁打で打線の火付け役となり、22日にキャリアハイの5打点から2戦連続5打点の離れ業。今季チーム最多19安打、16得点を呼び込んだ。

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またも中村のバットが勢いをもたらした。まずは1回、1点を勝ち越し、なお2死一、二塁。菅野の初球、真ん中低め135キロを捉えると、打球は強い追い風にも乗ってバックスクリーン左へ1号3ラン。「すごく良い投手なので1点でも多くという気持ちで打席に入りました。風の力もありますが追加点が取れて良かったです」。

さらに4点リードの3回2死一塁では、同じく菅野の5球目、外角低め130キロを左中間席へ2号2ラン。「風のおかげだと思いますが入ってくれて良かったです」と控えめに喜んだ。

昨季日本シリーズMVPに輝き、今季からOBで元監督の古田敦也氏の背番号「27」を引き継ぐ。開幕直前に下半身のコンディション不良で離脱し、5月初旬に復帰。22日中日戦で2本の適時打を放ち自己最多の5打点をマークしたばかりで、23日同戦はベンチで休養。英気を養ったこの日は4安打の固め打ちで、2試合連続の5打点となった。規定打席未満ながら打率3割1分1厘と好調を維持する。

昨季日本一となった自信と捕手としての読みも好調の要因だ。相手の配球については「バッテリーの攻め方どうかなとか、さっきの打席どうだったかなとか、自分で考えながら1日1日やっている」。初球のカットボールを捉えた第1打席の狙いについては「どうでしょう。企業秘密です」とかわしたが、好投手を相手に「何か思い切ったことをしないと結果出ないと思ったので」と積極的に仕掛けた結果が実った。

偉大な先輩と同じく「打てる捕手」を目標に掲げる32歳。お立ち台で背番号27について水を向けられると「僕は僕なりに頑張ります」と笑顔で応えた。頼もしい扇の要が、文字通り攻守の中心となる。【鈴木正章】

○…高橋が6回4安打2失点で、今季神宮初白星となる6勝目を挙げた。制球に苦しみ5四死球で100球を要したが、最速152キロの直球を軸に粘り強くゲームメーク。本拠地お立ち台で「やっと神宮で勝ててうれしいです。四球も多かったですけど何とか粘れて良かった」と喜んだ。また74奪三振はリーグ1位の阪神青柳に2差。「三振は取りたいので狙ってやりたいと思います」とトップ浮上へ意欲を示した。

▽ヤクルト山田(3回に右前適時打)「相手に流れを変えないためにも、取られたらすぐに取り返すチャンスだったので、強引にいかずにコンパクトに打ちました」

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