阪神大山悠輔内野手(27)が走者一掃の3点適時三塁打で連敗ストップに大きく貢献した。3回に島田の適時打で先制し、なおも2死満塁の場面。中日先発の左腕松葉の初球低めチェンジアップをすくいあげた。打球はチャージしてきた中堅手大島のグラブをすり抜け外野を転々。3人の走者をすべてかえし、悠々スタンディングトリプルを決めた。両手をパチンとたたき、笑顔で沸き上がる三塁側ベンチに目をやった。

「本当に勝ってよかった」と、試合後は連敗脱出を何よりも喜んだ。11打席ぶりの安打で打点を挙げるのも5試合ぶり。4連敗中は15打数1安打と、6月下旬までの絶好調はどこへいったのかと思うほど、急降下していた。矢野監督も「悠輔(大山)もね、めちゃくちゃ打ってくれていたけど、ここ最近は、出ていなかったんで。あそこで3点というのは大きかった」と一安心。8回にもしっかり四球を見極めるなど、背番号3の復調は明るい光だ。

直前の守りでのミスをすぐに取り返した。2回1死二塁で高橋周の一塁へのゴロをバウンドが合わず後逸。ピンチを一、三塁に広げてしまった。伊藤将が後続を打ち取り無失点で切り抜けたが、借りを返すべく気合十分の打席だった。「エラーしてチームに迷惑をかけたし、(伊藤)将司にも苦しい投球をさせてしまった。そういう意味では、取り返すというか、あの1本は大きかった」。自身もチームも救う一撃でリードを4点に広げ、終始試合を優位に進めることができた。

18本塁打、59打点はチーム2冠。だが、6月21日広島戦で18号2ランを放ち、通算100号に王手をかけながらも10戦ノーアーチが続く。相手のマークも厳しくなっている。絶好調時も「油断せず」「もっとできる」と自分に厳しく言い続けてきた。この日も「しっかり反省して、また明日頑張りたい」と引き締めた。慢心なく、再び上昇気流に乗る。【石橋隆雄】

○…梅野が鮮やかな三盗を決め、島田の先制適時打に結びつけた。四球出塁後、伊藤将の犠打で二塁に進んだ3回1死の場面。中野に左腕松葉が2球目を投じる前に会心のスタートを切り、楽々セーフになった。「何とか勇気を持ってトライした結果、相手も動揺というか、流れもつかめたのかなと」。2死後に島田の右前適時打で先制のホームイン。果敢な今季初盗塁が0-0の均衡破りに一役買った。

○…島田が今季2度目のV打点を挙げた。0-0の3回2死三塁で左腕松葉のカットボールを右前に先制タイムリー。「今日は野手で投手を楽にさせてあげようという風に話していたので、それがいい結果になってよかった」。6月3日の日本ハム戦(甲子園)で押し出し四球を選んで以来の勝利打点に会心の笑顔。矢野監督は「左ピッチャーでも何とかしていくというところを見せてくれれば」とさらなる成長を期待した。

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