阪神が連日の主砲離脱にもくじけず、チーム今季12度目の完封勝ちで2位巨人に1・5ゲーム差まで迫った。

先発の伊藤将司投手(26)が5月22日巨人戦以来となる今季2度目の完封勝利を飾り、自身5連勝で6勝目(2敗)を手にした。阪神投手の巨人戦2試合連続完封は85年ゲイル以来、37年ぶり。左投手では69年江夏豊以来、実に53年ぶりの快挙となった。

1回裏、先頭打者からいきなり3者連続安打で先制した。前日4安打の1番中野拓夢内野手(26)が二塁内野安打。2番島田海吏外野手(26)も中前打で続いた。無死一、二塁となり、今度は3番近本光司外野手(27)が三遊間を抜く適時打。重苦しくなりそうな雰囲気を一気に明るくした。

4回には三振ゲッツーで2死無走者となった直後、8番梅野隆太郎捕手(31)が右翼ポール際に2号ソロを運んだ。4月3日巨人戦以来102日ぶりの1発を決め、試合の流れをさらにグッと引き寄せた。2点リードの7回には7番メル・ロハス・ジュニア外野手(32)が4号右越えソロ。終始ゲームを優位に進めた。

チームは苦境に立たされていた。前日13日、大山悠輔内野手(27)が近親者の新型コロナウイルス陽性判定で濃厚接触者となり、特例2022の対象選手として出場選手登録を抹消。この日は前夜49日ぶりに1軍戦出場したばかりのジェフリー・マルテ内野手(31)が、右脚の張りで出場選手登録を再抹消されていた。

さらに前夜先発マスクで2点二塁打を放った坂本誠志郎捕手(28)も、近親者の新型コロナ陽性の濃厚接触者となって出場選手登録を抹消。前日プロ617試合目で初めて一塁守備に就いた糸原健斗内野手(29)が、618試合目で初めて一塁スタメン出場した一戦だった。

それでも投打がガッチリかみ合って2連勝。上位浮上が見えてきた。

▼阪神が2位巨人に勝ってゲーム差を1・5に縮めた。今季2位とのゲーム差1・5は開幕直後を除いて最小。最大は5月26日に2位巨人とついた10・5差。

▼阪神は15日にもAクラス浮上の可能性がある。Aクラスに入れば6月20日の3位以来となる。

▼伊藤将がプロ初完封だった5月22日に続いて巨人相手に完封勝ち。これで今季の巨人戦は2試合に登板して2完封だ。巨人戦で2試合連続完封勝ちは02年8月1日、9月10日川上(中日)以来となり、阪神では85年5月18日、6月6日ゲイル以来、37年ぶり。今回のように巨人戦でシーズン初登板から2戦2完封は73年4月29日、5月6日渋谷(中日)以来、49年ぶり。

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