ソフトバンクが今季初めて、3点以上のビハインドをはね返しての逆転勝ち。前半戦首位ターンへの“マジック”を1とした。藤本博史監督(58)は「みんなが全員でよく頑張ってくれたなと思います」と、一丸となった選手をたたえた。

2回に3点を先制されたが、3回にすぐさま同点。その裏に再度、2点リードを許したが、食らいついた。7回に追いつくと、同点で迎えた8回。藤本監督が執念の采配を見せた。

先頭の野村大が三塁打で出ると、代走周東をコール。脇腹違和感のため先発起用できなかった韋駄天(いだてん)を、勝負どころで送り込んだ。リチャードが四球で一、三塁となると、オリックスはスクイズ警戒で守備シフトを変更。それでも藤本監督は「周東の足やから、ファーストかセカンドが取ってくれれば間違いなくセーフだと思っている」と、選手を信じ、正面突破でセフティースクイズを敢行した。甲斐がきっちり一塁側へ転がすと、周東が快足を飛ばし勝ち越しのホームを踏んだ。

周東に加え、牧原大も左太もも裏の違和感があり先発を外れる苦しい状況。相手先発の左腕宮城対策として、3番柳田以外は8人の右打者を並べるオーダーで挑んだ。試合前時点で対戦防御率1点台だった宮城を3回で引きずり下ろすなど、粘りを見せた打線に指揮官は「すぐに点を取り返したところが大きかった」とうなずいた。

球宴まで2試合。2位の西武とは1差。23日も勝ち、前半戦首位ターンを決める。【山本大地】

▽ソフトバンク野村大(8回先頭で、決勝点への口火を切る三塁打)「とにかくできることをしっかりやろうと試合に臨みました。先頭打者で2回出塁することができたし、与えられた役割を果たすことができたと思います」

▽ソフトバンク・モイネロ(9回を締め14セーブ目)「少し登板機会は空きましたが、自分らしい投球ができたと思います。明日からもチームの為に頑張ります」

○…主砲柳田の1発で試合を引き戻した。1点差の7回、先頭打者で右中間スタンドに同点の11号ソロを打ち込んだ。「打ったのはフォークです。うまく拾うことができたと思います。正直スタンドに入るとは思いませんでしたが、同点の1本となって良かった」。6月24日の日本ハム戦(ペイペイドーム)以来、自身16試合ぶりとなる1発で勢いに乗ると打線は8回に勝ち越し。5回にも中前適時打を放っており、2打点の活躍でしっかり存在感を示した。

○…1番セカンドで先発出場した野村勇が宮城を攻略した。3点を追う3回無死一、三塁から左翼席へ2戦連発となる8号3ラン。「チャンスだったので、積極的に自分の持ち味であるフルスイングをしようと打席に入りました。スタンドまで届いてくれて良かった」。5回、6回にも安打を放ち今季2度目の猛打賞。先発1番では過去2試合出場しノーヒットに終わっていただけに、後半戦に向けて猛アピールとなった。

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