新型コロナウイルス陽性判定を受けて戦線離脱していた日本ハム新庄剛志監督(50)が、奥の手を携えて現場復帰した。後半戦初戦となる29日楽天戦へ向けて、楽天生命パークで行われた全体練習に参加。全快したBIGBOSSは、いまだにコロナ禍に揺れるチームを救う最後の一手として、自身の現役復帰というウルトラCプランをぶち上げた。

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10日ぶりに帰ってきたBIGBOSSは明るく全快宣言した。「楽しくいきましょうよ、もう。ウチのチームだけじゃないんだから」。続けてさらに声のトーンを上げ、苦境打破の最終手段を切り出した。

新庄監督 もし、今日か明日(選手に)陽性が出たら、僕が選手登録を。

現場復帰初日から生粋のエンターテイナーは、まさかの現役復帰プランを、自ら浮上させた。

選手登録の期限は7月末まで。現状は支配下登録選手が69人で、あと1枠の空きがある状況ではある。自信もありそうだ。20年に12球団合同トライアウトに挑戦して安打を放った新庄監督は「9番DHくらいで。今日からバット振ろうかな。ストレッチも始めている。意外とセンター前も打てそうな気がするし。(バットを)短く持ってコーンっと相手のスピードを利用して」と、ニヤリと笑った。

さらに、ウルトラCプランに拍車を掛けるのが、コロナ禍が収束しない現状。出場選手登録されている野手は13人。その1人である浅間は前半戦終盤から続く右肘痛で、この日の全体練習参加を見送った。後半戦スタート時は2軍から「入れ替える選手もいない」という。清宮を球宴に続いて三塁や左翼守備に就かせることも「今の状況だったら、ありえるかもしれないですね」と言ったBIGBOSSは言葉を続けた。

新庄監督 だから、俺が登録されるしかない…。これ笑いごとじゃなくて、ホント…いや、それするんなら中止にするでしょう。

最後は冗談として笑い飛ばしたが、緊急事態が継続中なのは事実。明言していた打線の固定は「今はできないかな。全員がそろうまで(前半戦で)結果が出せなかった選手は、この期間中に固定のメンバーの中に入れば(離脱中の選手が)戻ってきても固定」と、新たなトライアル開始を宣言。奥の手を繰り出さないでいいように、選手へハッパを掛けた。【木下大輔】

○…ポンセが後半戦の“開幕投手”を務める。「やることは変わらず、今あるチームの戦力で勝利を取っていくというだけ。明日も精いっぱい頑張っていきたい」と意気込んだ。舞台は来日初登板初先発した楽天生命パーク。「アメリカでは屋外でプレーすることが多かったので、すごく好きなスタジアムの1つ」。テンションの上がる球場で、チームを勝利に導く快投を目指す。

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