100人斬りヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が42号先制3ランで、チームを3連勝に導いた。両軍無得点の3回2死一、三塁、阪神伊藤将の2球目を右翼席上段へ。入団5年目。通算100人目からの1発で、04年岩村の球団日本人最多44本塁打まであと2本、NPB通算150本塁打まであと4本に接近した。打率でも一時はDeNA佐野、中日大島を抜き、瞬間的に「3冠」に到達した。“村神様”の勢いが止まらない。

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打った瞬間、それと分かる当たりにドヤ顔でバットを放り投げると、ベンチを指さしながら悠然と一塁へ走り出した。3回2死一、三塁、村上が伊藤将の内角ツーシームを捉え、均衡を破った。「ちょっと詰まったけど、良い角度で、良い押し込みが出来ました」。相手左腕とは今季初対決だったが「今は映像もありますし、前にやったこともあるので。その記憶をたどりながら、どうすればいいか感じながらやってます」と、初アーチをかけた。

6月、7月と2カ月連続で月間MVPに輝いた主砲は、8月も11試合で打率3割6分1厘、5本塁打、9打点と、勢いが止まらない。お立ち台では「サンタナが(3回1死一、三塁で三振に倒れ)泣きそうな顔でベンチに帰ってきたので、何とか打ってやろうと思って打席に立ちました」とジョークを飛ばす余裕も見せた。来日2年目の助っ人には「キアイハイッテル」など日本語を教える“先生”となっており、「最近は英語で話しかけられることが多いので。サンタナが英語の先生です」と明かすなど関係は良好。「不動の4番」としての打撃だけでなく、マウンドの投手に積極的に声をかけるなど、22歳にしてチームの中心的存在となっている。

記録ずくめの活躍にも自分を見失うことはない。最年少のシーズン40発に続き、史上最年少の通算150号が迫るが「自分のパフォーマンスをすれば必ず達成できる数字。そこを目標にすることはないですけど、1つの記録として達成できればうれしいですし、必ず達成できる記録かなと思ってます」と冷静に向き合う。

この日、一時はDeNA佐野を打率で上回り、瞬間的に「3冠」を手中に収めた。その後の打席で凡退し、最終的には試合前と同じ3位のままだが、首位打者の佐野とも2厘差をキープする。通算150号に、令和初の3冠王。偉大な記録へ、1歩ずつ着実に歩みを進めていく。【鈴木正章】

▽ヤクルト高津監督(村上の3ランに)「ランナーためて、ひと振りで3点取れたわけですから。すごく大きなひと振りだったと思います」

○…高橋が6回5安打2失点で、チームトップの8勝目を挙げた。3日に近親者がコロナ陽性判定を受けたため濃厚接触者疑いで自主隔離。中14日の先発で結果を示し「間隔が空いてしまったので、ちょっと緊張感はあったんですけど、思い切って腕を振りました」と振り返った。前回登板の2日中日戦では、村上が5打席連続本塁打を達成。この日も援護の1発を放った主砲に「もう神様です」と感謝した。

○…2年ぶりに「2番」に座った山田が、19号ソロを放った。1点リードの8回2死、阪神伊藤将の2球目、外角143キロ直球をはじき返し、左翼席中段へ運んだ。終盤でリードを広げる貴重な1発に「追加点が欲しい場面でしたので、打てて良かったです」と振り返った。

▽ヤクルト・マクガフ(両リーグ最速で30セーブ)「2年連続30セーブを挙げられて、とてもうれしいです。今年もチームが強いのでやりがいがあります。今年も優勝したいので、チームのために引き続き頑張ろうと思います」

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