阪神近本光司外野手(27)が、攻守で子どもたちを魅了した。4回1死。DeNA浜口の136キロをはじき返した。

新型コロナ感染から復活し2戦目で、復帰後初安打となる左前打。17日ぶりの快音でリスタートを切った。8回の守備では佐野の飛球をスライディングキャッチ。佐野には離脱中に安打数を抜かれ、現在3安打差。ライバルのHランプ点灯を阻止し、諦めない姿勢を示した。

昨年、知人から「(近本の地元の)淡路島と形が似ている」という理由から提案され、鹿児島・沖永良部島を自主トレ先に選んだ。「海がきれい」と魅力を語っており、練習の合間にはウミガメ探しに目を凝らしていた。昨年は初の最多安打。今季は球団最長タイ30試合連続安打。2年連続で自主トレ先に選び、活躍の原点となった地だ。思い入れのある同地の子どもたちをスタンドに招待した一戦。勝利を届けることはできなかったが、恩返しと言わんばかりにグラウンドを駆けた。

矢野監督は「何もないよりはね、チカも1本出て、落ち着いて」と言った。試合後、一塁側スタンドへ向け手を振った背番号5。手を振り返してくれた子どもたちの笑顔が、何よりのエネルギーになるはずだ。【中野椋】

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