昨秋リーグ王者の仙台大が、宮教大を5-0で下し、開幕2連勝を決めた。先発した最速150キロ右腕、佐藤亜蓮投手(4年=由利工)が、5回を投げ3安打無失点の好投。力のある直球を軸に、三塁すら踏ませず無四死球と安定感も抜群。リーグ戦初登板で白星をマークした。今春はサイドスローに挑戦したが、再びオーバースローに戻す、紆余(うよ)曲折を経て“完成形”のフォームにたどり着いた。

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リーグ戦初先発で、佐藤が堂々のマウンドさばきを見せた。2-0の5回1死一塁。カウント1-1から128キロの変化球でバットの芯を外し、注文通りの二ゴロ併殺。5回を散発3安打0封で試合をつくり、マウンドを後にした。「(リーグ戦)初めての先発で緊張もあったが、練習でやってきたことを出すことができた」と納得の表情で振り返った。

安定感抜群だった。ストライクを先行。早いカウントで追い込んでいく。最速147キロの直球を軸に、要所でカットボールが決まった。毎回の6奪三振に加え、無四死球と言うことなしの投球。「自分が苦しくならないように、ストライク先行を意識していた」とテンポ良くアウトを積み重ねた。

試行錯誤の末、投球フォームが完成にたどり着いた。制球難克服のため、今春はサイドスローに挑戦。軸足の使い方や体のラインを突きつめる良い機会となった。「リズム感が良くなり、フォームにばらつきがなく、まとまりが出るようになった」と手応えを口にする。夏以降は、本来の姿に近いオーバースローに戻したが、サイドスローで身につけた感覚が生きた。「サイドに1度変えたことが、今の投球フォームにつながっている。持ち味の真っすぐも良くなった」と自信をのぞかせた。

最終学年の強い覚悟を持って戦う。「自分が投手陣を引っ張っていけるように。やってきたことしっかり出していく」。泣いても、笑っても、集大成のラストシーズン。培ってきたすべてをグラウンド上で発揮する。【佐藤究】