歴史的な「0」が9個並んだ。球団史上ワーストとなるシーズン25度目の完封負けで阪神が2位DeNAに連敗した。

矢野燿大監督(53)は「責任を感じています」と悔しさをにじませた。先発した19歳の森木を援護するどころか、打てず守れずの完敗だった。

DeNA先発左腕石田に6回2安打無失点に封じられた。矢野監督は「今日も別にいいとは思わないんで、それが打てないのが悔しい。相手が絶好調であれば仕方ないけど、そういう感じには見えない」と首をひねるが、今季4度対戦し3連敗と打てない。大山を右翼に入れ、左翼に陽川、一塁にマルテを起用した対左腕オーダーも、散発の3安打とつながらなかった。

守りでも痛いミスが出た。3点リードされた3回2死二、三塁で一、二塁間へのゴロを捕球した二塁手の山本が一塁へ悪送球し、さらに2点を失った。矢野監督は「(ベースカバーの一塁手)マルテが遅れたからね。だけどああいうところこそ丁寧にいかないと。プレーが軽くなりすぎた」と厳しかった。山本は遊撃にまわった8回も1死一、二塁で投ゴロで併殺を狙った斎藤の送球を二塁ベース上で捕球できずこの日2個目の失策。続く桑原のダメ押し2点適時打につなげてしまった。チームは今季76失策でリーグ単独ワーストとなった。

今季最後の横浜は、三塁側は黄色で埋まっていた。同球場での8連敗も98年以来のワーストに並んだ。連勝なら2位も見えたDeNAとの直接対決に連敗し6ゲーム差に広がった。11日からは甲子園に戻り中日、広島との4連戦。CS圏内3位死守へ、本拠地で意地を見せるしかない。【石橋隆雄】

○…球団ワーストの25度目の完封負けに井上ヘッドコーチは「多いよね。完封負けは屈辱的なことだけど、またかと思われる。そして、慣れてしまうのが一番怖い。終わってしまったものはしょうがないので、残りをどうするか考えていくしかない」と、残り12試合でさらに記録を更新しないように策を練る。「前半に得点しても、中押し、ダメ押しがなかなか取れない」と話すように、前日9日の初回に2点を取って以来17イニング連続無失点が続いている。

○…島本が1/3回を無失点に抑え、デビューから116試合連続無敗で、桟原の持つ球団記録に並んだ。3回2死二、三塁で森木に代わって登板。DeNA戸柱の打球を二塁山本が悪送球し、2点を献上。続く森に四球を与えたが、石田を空振り三振に仕留めた。20年に左肘のトミー・ジョン手術を受け育成契約で再出発。今季再び支配下登録を勝ち取り、復活の左腕が存在感を示している。

▼阪神は横浜でのDeNA戦で、6月28日から8連敗となった。78年に開場した同球場での単一シーズンでの連敗記録としては、98年4月3日~8月6日の8連敗と並び球団最長となった。これで横浜では今季11敗で終了。ビジター球場での年間最多敗戦は04年ナゴヤドーム(現バンテリンドーム)の12敗で、これに次ぐワースト2位タイ。(他に11敗は後楽園3度、東京ドームとナゴヤドームで各2度)。

【ニッカン式スコア】10日のDeNA-阪神戦詳細スコア