広島打線が総力戦で“アキロス”を吹き飛ばした。1点を追う3回に打者15人2本の3ランを含む3本塁打など10安打で12点を奪い逆転した。84年5月30日ヤクルト戦の4回以来となる球団最多タイの1イニング12得点。4回に5点差まで追い詰められるも、6回に3点を奪って突き放した。

2回までの好機を生かせなかったが、3回にヤクルト先発サイスニードに襲いかかった。無死一、三塁から4番松山の左前打で追いつくと、失策などで3点を勝ち越した。さらに堂林が左翼席へ豪快な3ラン。代わった2番手山本からは坂倉が3ラン。さらに上本がプロ10年目での初本塁打となるソロで長い攻撃を締めた。通算477打席目での初弾に上本は「本当たまたまです。うれしいのはうれしい。(記念球は)娘にプレゼントします」と喜んだ。11点差から5点差となった6回も、2死二、三塁から野間が一塁線への2点三塁打で流れを引き戻した。

試合前、秋山が出場選手登録を抹消された。加えてコンディション不良の菊池涼が2戦連続、マクブルームは3戦連続で先発から外れた。チームの窮地に、代役を務めた選手たちが打線を活気づけた。佐々岡監督も「アキ、キクが出ていない中で、選手が頑張ってくれているのは大きい。みんながチャンスをつかもうと思って、しっかり結果を出してくれたのは大きい」と起用に応えた選手をたたえた。20安打15得点でヤクルトを振り切り、連敗を止めた。3位阪神に0.5ゲーム差と肉薄。最後まで総力戦でCS争いにしがみつく。【前原淳】

▼広島が3回に12点を挙げるなど、20安打15得点。イニング最多得点は09年ロッテが6月11日広島戦で記録した15点だが、広島では84年5月30日ヤクルト戦の4回にマークした12点に並ぶ球団タイ記録だ。また、1試合20安打は5月8日DeNA戦21安打、7月23日ヤクルト戦22安打に次いで今季3度目。20安打をシーズン3度記録したのは14年の阪神と楽天以来で、球団では初めてになる。

▽広島森浦(4回1死満塁で救援し、1回2/3を投げ無失点。今季2勝目)「(腕の振りが)緩まずに投げることができた。流れを持っていかれないように意識した」

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