東洋大が立正大に敗れ、秋季リーグ戦で初黒星を喫した。7日に高橋昭雄前監督(享年74)が他界して迎えた一戦だったが、白星をささげることはできなかった。

来秋のドラフト候補に挙がる最速155キロ右腕の細野晴希投手(3年=東亜学園)が先発。力強い直球を軸に9回を2安打に抑え、10三振を奪ったが、勝負どころで制球力を欠いた。4回は四死球からピンチを招き1失点。1-1で迎えた8回は4つの四球を与えて勝ち越しを許した。

打線は、1点を追う6回1死二塁から水谷祥平外野手(3年=龍谷大平安)の左越え適時打で同点に追い付くのがやっと。わずか2安打に抑えられ、細野を援護できなかった。

高橋前監督に弔意を表し、喪章をつけて戦った。9日に杉本泰彦監督(63)が、選手40人分のユニホームの袖に、約3時間をかけ喪章を縫い付けた。試合前には小口仁太郎内野手(4年=智弁学園)がナインに「杉本監督が1人1人のユニホームに喪章をつけてくださった意味を考えて。今、東洋大、東洋大と言われるのは、高橋監督のおかげ。そういう気持ちもくみ取って戦おう」と話して臨んだ試合だったが、勝利には結び付かなかった。

杉本監督は「(リーグ戦は)勝ち点制ですから。明日絶対やり返す気持ちです」と、勝ち点を墓前にささげる覚悟を口にした。