阪神2軍が逆転サヨナラ勝ちで優勝マジック点灯へ王手をかけた。ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(鳴尾浜)の9回だ。3点ビハインドの1死、3番前川の反撃ソロアーチで流れが変わった。2死一、二塁とし江越が初球を左中間へ4号サヨナラ3ラン。両軍合計29安打19得点の乱打戦の幕切れは劇的だった。

「流れを変えた1発だよ、前川のね。それにしても江越はびっくらこいちゃった。長崎まで飛んでいったよ。ほれぼれしたね。あれこそ関空までいったよ。糸井の後を継いで超人やな」。平田2軍監督も大絶賛だ。江越は前日15日に出場選手登録を抹消されていた。この日はスタメンから外れ8回から代走で途中出場。勝利を決めた一打には男の意地が詰まっていた。

これで2位ソフトバンクとのゲーム差は4に広がった。ウエスタン連覇へ、17日の同戦に引き分けならマジック「6」、勝利で同「5」が点灯する。指揮官は「いやいや、そういうこと(どんどん)言って」とウエルカム。「どんどん(優勝を)意識させる。プレッシャーばんばんかけて、それで力が発揮できませんってやつなんか、使いもんならん」。シーズン最終盤。1軍へ戦力を送り込むためにも、強い意識で頂点をとりにいく。【中野椋】

阪神江越(9回に逆転サヨナラ3ラン)「打席が久しぶりすぎたので、とりあえず振って初球からいってタイミングを合わせようと。自分としても抹消されて初日だったので、必死にもう1回、上(1軍)を目指す気持ちでやっていた。その気持ちが伝わったかなと思います」