国学院大が延長11回タイブレークを制し、先勝した。

楠茂将太投手(旭川大高)が8回途中からマウンドに上がり、3回2/3を3安打無失点と好救援。今季2勝目を挙げた。「今日は真っすぐでも空振り三振が取れる」。変化球で空振りを取る投球から直球を軸に切り替え、打者に狙いを絞らせなかった。

1-1の延長10回からタイブレークに入っても、マウンドの楠茂は落ち着いていた。「第1週の青学大戦もタイブレーク。今日も最初からタイブレークを想定して『自分は0に抑える』という気持ちを最初からもってマウンドに立ちました」。下級生が多い内野守備陣にも「無理にゲッツーを取るくらいなら、しっかり捕って投げてくれたらいいよ」と冷静に声をかけ、守備陣をリード。この回を無失点に抑えた。攻撃陣が好投に応え11回表に3点を勝ち越すと、その裏も冷静にアウトを重ねて勝利を決めた。

鳥山泰孝監督(47)は「楠茂が見事に火消し役をしてくれた。非常に頼もしく見ていました。経験を力に変えて、4年秋の集大成を見せてくれていますね。見事です」と最敬礼だった。

ラストシーズン。大きな責任感を抱き、マウンドに上がる。「先発は3年生の武内。最後に力を見せるのは4年生。武内の苦しい場面を投げてこそ、最後の4年生の秋だと思っているので」。頼もしい守護神がチームを勝利に導く。【保坂淑子】