苦しみ抜いた末の「Hランプ」だ。阪神佐藤輝明が、意地のタイムリーでプロ初のシーズン80打点に乗せた。8回に原口の適時打で1点勝ち越し、なお2死一、二塁。DeNAエスコバーの内角低め156キロを強振した。グシャっというバットが折れた音とともに打球は左前へぽとり。一塁ベース上では笑顔なくベンチの歓喜に応えた。

「いつもですけど『しっかり打てる』って自分に言い聞かせて、自信を持って打席に入って食らいついていって、いい結果が出ました」。3打席連続三振、18日ヤクルト戦から数えると5打席連続三振で迎えた打席。自らを奮い立たせ、折れかけていた心を保った。

21日は大好きな先輩、糸井の引退試合。「最後に嘉男さんにいいところを見せられるように。そういう試合にしたいです」と誓った。球団史上2人目となる新人年から2年連続での20本塁打にも王手をかけている。超人に節目の1本を届けてみせる。

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