完璧な当たりの安打は0本だった。

明星大のドラフト候補で最速154キロ右腕の松井颯投手(4年=花咲徳栄)が春まで1部所属だった帝京大を相手に、9回3安打2失点で完投した。「チェンジアップでカウントを稼ぎながら、球数を減らすことを意識しました。1部で戦っていた相手を打ち取れたのは、自信になります」。3本の安打は三塁への内野安打、中前へのテキサス安打、2-0の9回2死二塁、悪天候の影響によりボールを見失った右翼手の前へ落ちた適時打。同点打も失策によるもので、自責点は1。試合は規定により引き分けとなったが、松井は投球内容に手応えを見せた。

この日は3球団が視察した。日本ハム大渕GM補佐兼スカウト部長は「直球は力強くてチェンジアップもいい」と素材面を評価し、「初めて今日見ましたが、もう少し話題になってもいいかなと思います」と続けた。松井はドラフトに向け「意識はありますが、目の前の試合でベストな投球をするだけだと思っています」と、まずはチームの1部昇格に向け腕を振る。