阪神近本光司外野手(27)が、矢野監督とのラストゲームを終え涙した。試合後の整列時にも涙がこぼれていたが、報道陣から「矢野監督への思い」を問われると、感情があふれ出た。

「出てる選手が打たないから負けるので。僕らが悪いので…そう思ってたんですけど…」

そこまで言うと涙で言葉が詰まった。

「でも、やっぱり最後、終わってから「矢野! 矢野!」っていう(コールを聞いて)、やっぱり見に来てくれる人がいるだけで、その人に対して、ファンの人に対して僕らはプレーするだけなので…」

そう振り絞り、タオルで静かに顔をぬぐった。

この日は5回1死二、三塁でヤクルト高橋に空振り三振に仕留められた。

18年に矢野監督が就任した直後のドラフト1位。「最初の監督だったんで、ほんとにね、ドラフトの時からお世話になってたんで」。取材の終わりには「勝ちたいです」と来季へ思いをぶつけるように語気を強め、帰りのバスへと乗り込んだ。