広島上本崇司内野手(32)が1軍フル同行を誓った。今季は開幕1軍で発進したが、7月に下半身コンディション不良で2軍再調整。8月には新型コロナウイルスに感染し再び降格を強いられた。チームは来季から広陵の先輩にあたる新井良太氏を2軍打撃コーチとして招聘(しょうへい)することが17日に明らかになった。2軍コーチだけに「できれば会わないほうがいいですね」と笑って話すが、目は真剣だ。今季プロ初本塁打を放つなど打撃で花開いた中堅が、11年目も1軍戦力であり続ける。

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新指揮官不在の秋季練習が続くが、上本は引き締まった表情でメニューをこなしていった。この日は全体メニューにアメリカンノックも導入された。32歳の上本も広い外野を走り、打球を追った。新井新監督は日程の都合上まだグラウンドには出てきていないが「関係ない。やることは一緒」と気の持ちように変わりはない。

■新2軍打撃コーチに「お会いしないように」

前日17日には広陵の7学年先輩にあたる新井良太氏が2軍打撃コーチとして来季の広島に加わることが明らかになった。担当が2軍だけに「なるべくお会いしないように頑張ります。会わない方がいいと思うので」と笑って歓迎した。

■広島に広がる広陵の輪

これで広島には広陵出身の現役選手が上本、白浜、野村、中田、中村奨の5人。首脳陣では新井良太新2軍打撃コーチ。数多い広陵の血が流れることになる。上本は「やることは変わらない」と前置きしながら、「聞きやすさとか、相談のしやすさとかは生まれてくると思う」と前向きにとらえた。伝統校が誇るコネクションの大きさを来季の強みにする。

■打撃開花も「結果を出せたと思っていない」

今季はプロ入り10年目で初本塁打を放つなど打撃面で大きく向上。守備力も変わらぬものがあり、内外野をそつなくこなせる技術はチームで重宝された。ただ自身は「結果を出せたとは思っていない」とキッパリ。その理由は「規定(打席)も立っていないので」。143打席足りない300打席でシーズンを終えたことにより、満足できる1年にはなっていないようだった。

秋季練習はこの日が第2クール最終日。「試合に出るたびに課題がたくさん出た。(今は)そこを直す作業。守備も打撃も」。11年目を前に、技術向上はまだ止まらない。【前山慎治】

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