大山はボール1個分前よ! 阪神岡田彰布監督(64)が予告通りに、安芸キャンプ初日から大山悠輔内野手(27)の改造に着手した。フリー打撃をケージ後ろからじっくりと見た後に、ティー打撃を行う大山に声をかけた。自らノックバットを振って身ぶり手ぶり。置きティーのボールを指さしながら、ボール1個分前でとらえるように、インパクト時のアドバイスをした。

岡田監督は「(打撃投手の)真っすぐを打ってるポイントと、カーブマシンを打っているポイントがあまりにも違いすぎる。カーブマシンはすごいいい打球がいっている。間があるから前でさばけるんやろうな」と説明。対して直球に差されることが課題と指摘し、改造の意図を明かした。「練習で苦しい打ち方したらあかんわ。ボールもあまりにもイヤイヤしばかれているみたいやから。ラインドライブっていうかな。ボールがかわいそうに飛んでいく。ボールも何か反発しとるからボワーンって落ちるやろ。距離飛べへんやん。そういうところのコツやなあ」と岡田節で表現した。

そしてスイングスピードを計測し、違いを明確にした。これまでのポイントでは131キロで木浪と同程度の数値だった。だがポイントを前に置いたスイングは139キロで、8キロも速くなった。「だからそういうことよ。やっぱり一番強いスイングができるところで打たんとね」とニヤリだ。

指導を受けた大山も目を輝かせた。「新しい発見でもあるし、いろいろ試しながらやっていきたい。意味のあるスイングが必要」と、特打も含め初日から500スイング以上を振り込んだ。岡田監督は今後も打席での考え方や配球の待ち方などを教えていく予定だ。来季、不動の一塁&クリーンアップを任せる大山には今季以上の打撃が求められる。安芸での3週間で、岡田の教えを惜しみなく伝授する。【石橋隆雄】

○…首の張りの影響で秋季キャンプメンバーから外れた森木が、鳴尾浜の残留組練習に参加した。別メニュー調整で、キャッチボールやダッシュも回避し、リハビリに励んだ。「徐々によくなってきてると思うので、今できることをしっかりやるだけだと思います」。キャンプは地元高知での開催。「行きたかったですけど、そこで焦ってプロ野球人生を棒に振るのは嫌なので。早く治すことが一番」と無念を力に変える。

○…中野が5日からの侍ジャパン強化試合に向け、鳴尾浜で精力的に体を動かした。遊撃での守備練習のほか、走塁、打撃など2部練習を敢行。代表合流前の最後の調整となる見込みで、「いろいろ吸収できるところは吸収して、何か成長して帰ってこれれば。日の丸を背負うのは初めてなので、思い切って楽しんでやりたい」と意気込んだ。

○…国内FA権を取得している岩貞は熟考モードだ。自主練習で鳴尾浜に姿を見せ、岩崎とキャッチボールをするなど体を動かした。心境については「本当にここ数日は変わってないです」と思案顔。約2、3分会話した和田2軍監督は、13年ドラフト1位で入団した岩貞について「俺が監督の時に入ってきた選手だから気にはなっていた。『残りの期間しっかり考えます』と言っていたし。(チームに)必要じゃないわけがない」と残留を願った。

○…5日からの侍ジャパン強化試合メンバーに選ばれている佐藤輝が、内外野両方OKをアピールした。同じく選出された近本、中野、湯浅と鳴尾浜で秋季練習残留組に参加し、午前中は守備練習、午後は打撃、走塁練習。守備ではチーム内で一本化されている三塁に加え、外野でもノックを受けた。「一応外野手で呼ばれているので、外野が主になると思うんですけど、どっちでも守れるのが僕の価値だと思うので、そこも出していければ」。日本代表には3日に合流予定だ。

【関連記事】阪神ニュース一覧