ソフトバンクが8日に日本ハムからFA宣言した近藤健介外野手(29)の獲得に動く。

出来高込みで推定4年総額20億円の好条件を提示する見込みだ。オリックス、西武、ロッテも獲得調査に乗り出すことも判明。日本ハムを交えた5球団の大争奪戦を制すべく、交渉が解禁される11日にも即日アタックをかける。阪神を退団したジョー・ガンゲル投手(30)の獲得調査も進めるなど、大補強で3年ぶりのリーグ優勝を目指す。

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三笠GMの称賛は止まらなかった。この日、日本ハムから海外FA権の行使を宣言した近藤について「日本を代表する左のアベレージヒッターということで、大変高く評価しています。打者としての総合力は日本でトップクラス」と絶賛。その上で「ぜひホークスにきてもらいたい」と、獲得に動くことを明言した。

近藤はプロ11年間で3990打席に立ち、通算1016安打、通算打率3割7厘、通算出塁率4割1分3厘を誇る。打順も1番からクリーンアップまで器用にこなし「しっかり選手をかえすクラッチヒッターの能力もある」とGMの評価は高い。ポジションは外野起用が中心となる見込み。今季主に左翼を守ったグラシアルは退団が決定的で、補強ポイントにも合致する。

「好条件の提示をするか?」という質問には「はい。もちろんです」と即答。出来高込みで推定4年総額20億円の好条件を提示する見込みだ。交渉解禁となる11日にも即日アタックを仕掛ける可能性もある。オリックス、ロッテ、西武も獲得調査に乗り出すことが判明し、宣言残留を認めている日本ハムを含めた5球団の争奪戦に発展するもようだ。

補強は近藤だけにとどまらない。この日、阪神を退団したガンゲルの獲得調査を行っていることも判明。3年間で16勝を挙げ、21年には9勝をマークした。「精密機械」とも称される制球力を武器に、先発候補の期待がかかる。今オフはFA権を持つエース千賀の海外移籍が濃厚。その穴を埋めるべく、日本で結果を出した右腕の獲得を目指す。

他にもDeNAから国内FA権を行使した嶺井博希捕手(31)、ブルペン強化としてロッテとの契約が切れるロベルト・オスナ投手(27)の獲得調査も並行している。三笠GMは「スローガンが『目指せ世界一』ですから。選手もコーチもフロントも一体となって世界を代表するチームになる。常に常勝を目指していて、そういう環境に力を入れて整備していることをしっかりアピールしたい」と力を込めた。3年ぶりのリーグ優勝奪回へ、フロントも全面バックアップして近年例を見ない大補強を敢行。常勝軍団の復活に向け、ソフトバンクが本気だ。【只松憲】

◆近藤健介(こんどう・けんすけ)1993年(平5)8月9日生まれ、千葉県出身。横浜では3年時に甲子園へ捕手として春夏連続出場。11年ドラフト4位で日本ハム入団。12年には日本シリーズに、球団初の高卒新人野手として出場。17年に規定打席不足ながら記録した打率4割1分3厘は、100打席以上の選手では球界最高。19、20年には最高出塁率のタイトルを獲得。18、20、21年ベストナイン。通算1014試合、1016安打、52本塁打、446打点。打率3割7厘。171センチ、86キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸は2億5500万円。

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