7色の球種で歓声の北海道を彩る。日本ハムのドラフト2位富士大・金村尚真投手(22)が10日、岩手・北上市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金7000万円、年俸1100万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。仮契約前はプロ野球選手になるという、実感が湧いていなかったが「はんこを押して契約をしたということで実感が湧いた。2月のキャンプからしっかり自分の持ち味を発揮できるように頑張っていきたい」と決意を新たにした。

沖縄・豊見城市出身。高校進学で故郷を離れ、岡山学芸館から富士大へ。「自分が出会った方は皆さん温かくて、岩手に来られて良かった」。チームメートや指導者の支えを受け、1年春から北東北大学リーグで登板。高いレベルで安定した制球力を武器に試合を作り、通算25勝を積み上げた。「自分1人ではここまでやってこられなかった。常に感謝の気持ちを忘れずにプレーしていけたら」と、結果で恩返しを誓った。

輝かしい実績を残して進むプロの舞台。4年間戦った大学野球と比較し「失投を1球投げたら本当に終わりな感じでミスは許されない」と気を引き締める。厳しい世界に飛び込むが、この日の午後。短時間の雨が降りやみ、北上市内に七色の虹が架かった。「高校も大学も野球が盛んな岩手でプレーできたことはこれからの人生につながる。そういう経験を大切にやっていきたい」。冬季でさらに心技体を高め、期待を背負いながら開幕1軍に近づく。【相沢孔志】