ソフトバンクのスピードスター周東佑京内野手(26)が、“一芸脱却”で定位置取りを目指す。参加した侍ジャパンの強化試合を10日に終え、中1日で12日から宮崎秋季キャンプに合流。「打率を残したい。しっかり率を残した中で、出塁率も長打率も上げられれば」。自慢の快足にプラスして、課題の打力をアップさせるべく、早速鍛錬に励んだ。

19年の1軍初出場から4年連続20盗塁以上。20年には50盗塁でタイトルを獲得した。そんな日本代表に選ばれている韋駄天(いだてん)でも、入団5年でレギュラーに定着した経験はない。内外野を守れ、代走の切り札という役割もあるが「ジョーカーと言われるのはいや。できれば1つのポジションで続けられれば」と、来季はあくまでスタメンにこだわる。

今季は三塁が主戦場だったが、栗原の三塁コンバートが決定。右翼は柳田、中堅は牧原大が最有力で、左翼では正木や柳町ら若手がひしめく。さらに日本ハムからFA宣言した近藤の獲得となれば、外野争いはさらに激化する。足は一級品。内外野にこだわらず、あとはバットで定位置の座をつかむだけだ。「本当にシンプルに強い体を作る。体重だけがすべてじゃない。1年間けがしないように。疲れた時でも耐えられる体を」と引き締めた。

国際試合を経て、疲労困憊(こんぱい)は間違いない。それでも13日の巨人との練習試合(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)には「いきます。出ます!」と気合を入れた。「余裕のある立場ではない。(侍ジャパンの)経験を持ち帰って、チームの中の競争に勝てれば」。振り込んで振り込んで、実りの秋にする。【只松憲】

○…ドラフト2位の日本製鉄鹿島・大津亮介投手(23)が、希望していた宮崎秋季キャンプを見学した。ナインと球場入りし、アップ、キャッチボール、ブルペン投球などを観察。すでに藤本監督が来春キャンプA組(1軍)スタートを明言している即戦力右腕が一挙手一投足に目をこらした。エース千賀は海外移籍が濃厚で「少しでも埋められるように、ケガなく頑張りたいです」と意気込む新戦力が貴重な時間を過ごした。

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