日本ハムは19日、オリックスから国内フリーエージェント(FA)権を行使していた伏見寅威捕手(32)と入団合意したと発表した。FA宣言選手を獲得するのは05年稲葉篤紀、17年鶴岡慎也に続いて5年ぶり3人目となった。背番号はオリックス時代と同じ「23」に決定。後日、正式契約を交わして入団会見に臨む道産子の“日本一捕手”が、優勝請負人として北海道へ帰ってくる。

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日本一奪回へ、頼もしい新戦力が加わる。今季オリックスでリーグ連覇、日本一達成に貢献した伏見の日本ハム入りが決まった。入団交渉に出席していた稲葉GMは千葉・鎌ケ谷の球団施設で取材に応じ、交渉の席でのやりとりを振り返りながら、5年ぶりのFA補強成功を喜んだ。

稲葉GM ぜひファイターズで、と。我々は来年、日本一になりたいので、ぜひ力を貸していただきたいという話をさせていただいた。(伏見から)お力になれるように頑張ります、と(連絡が来た)。ファイターズでやりたいと思ってくれたのが、うれしい。

球団が高く評価したのは捕手としての経験値だけではない。人間性の高さも魅力的だった。

稲葉GM プレ-スタイルを見ていても、本当に一生懸命やっている。練習も試合中も周りを見られて、ピッチャーへの気遣いも含めて、本当にいい選手だなと見ていた。

5月18日、ほっともっと神戸でも、自然と伏見は人格の高さを見せていた。同17日のオリックス戦で野村が鼻に死球を受けて途中交代。その時にマスクをかぶっていたのが伏見だった。負傷翌日に野村がグラウンドに現れると、すぐに伏見は野村の元へ駆け寄って「大丈夫?」と声をかけ、状態を確認。野村から「大丈夫です」と聞き、ホッとした表情を浮かべていた。

人格者であり、頂点に立つ喜びを知る扇の要が、故郷に帰る決断をしてくれた。稲葉GMは「いろんな覚悟、決意というものも見せていただきました」と、交渉の席では新たな挑戦に打って出た伏見の姿に“優勝請負人”として故郷へ錦を飾る、強い気持ちも感じ取っていた。「やってくれると信じています」。伏見がVの使者となり、北海道を盛り上げる。【木下大輔】

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