家族のために-。阪神渡辺雄大投手(31)が25日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、1150万円アップの1600万円で更改した。256%増の大幅昇給に「妻にいいモノを買ってあげたい。1月末に2人目が生まれる予定なので、出産を終えた後に何かプレゼントできたらいいなと思います」と、晴れやかな表情で話した。

並々ならぬ思いで臨んだシーズンだった。21年オフにソフトバンクから戦力外となり、育成選手で阪神に入団。当時は夫人が第2子を妊娠中だったが、「戦力外になって少し不安をかけてしまって、流産してしまって…」と悲痛な思いを明かした。「妻にはすごく申し訳ない気持ちがあった。今季はしっかりやりきって、妻には何かできたらなという思いがありました」。

その後、新たな命を授かり「今度こそちゃんと安心して産んでもらえるような状態にしないとダメ」と決意。左斬りのワンポイントリリーバーとして、開幕直前に支配下選手契約を勝ち取り、32試合に登板。プロ初勝利を含む3勝1敗、10ホールド、防御率2・45と健闘した。妊娠中の夫人から献身的なサポートを受けたと言い「本当に妻には感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです」。

来季は「脱ワンポイント」にも意欲を示した。「右打者を抑えられるようにして、しっかり1イニングを投げられるようにやっていきたい。50試合は最低でもいけるように。アレ(=優勝)に向かって、少しでも力になれるように頑張りたい」。家族への感謝の思いを胸に、活躍で恩を返していく。(金額は推定)【古財稜明】

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