最速155キロ右腕が、一気に知名度を上げた。

来年の日米大学野球選手権(7月・米国)に出場する大学代表候補の強化合宿が3日、愛媛・松山で行われた。紅白戦で、平成国際大・冨士隼斗投手(3年=大宮東)がスタンドを沸かせた。

投球練習から150キロを連投。「レベルの高い打者にどれだけ通用するか」とこだわって、全22球のうち直球が20球。15球が150キロ台で、球場のスピードガンで自己最速タイの155キロをマークした。2回を投げて1本塁打を含む2安打、2奪三振の1失点で「直球を打たれたけど、三振も取れたのでよかった」。

高校時代は肘のケガもあり、背番号19で公式戦の登板なし。高校時代は最速138キロだったが、筋トレやケガの克服で球速が上がった。楽天・後関スカウト部長は「ボールが強くて、魅力がある。制球の課題はあるが、大化けする可能性がある」と評価した。

 

慶大・広瀬隆太内野手(富士の直球を左中間スタンド上段へソロ)「直球が(速くて)全然見えなかった。早めにタイミングを取って思い切り振ったら、反発で飛んだ。ものすごい直球だった」

 

○…異色の経歴を持つ右腕、同大・真野凜風(りんか)投手(3年=天理)が紅白戦に登板し、持ち味のスライダーで2回無失点に抑えた。天理では軟式野球部でプレーし、硬式は大学から。軟式で投げていた変化球はボールの違いで使えなくなったが「指にかかるスライダーなどが得意になった」と縦と横の2種類を操る。硬式歴3年で「当然プロを目指します」と来秋を見据えた。

 

○…来年のドラフト上位候補で最速155キロ左腕、東洋大・細野晴希投手(3年=東亜学園)が、紅白戦で好投した。安定した制球で、2イニングを被安打1の3奪三振、無失点だったが「(直球が)全然ダメ。もっと力まずに152、153キロ出したい」と自己評価は低め。上武大・進藤勇也捕手(3年=筑陽学園)の内角を使ったリードに「配球で抑えられた。勉強になりました」と明かした。