広島会沢翼捕手(34)が8日、マツダスタジアム内で契約交渉に臨み、4000万円ダウンの年俸1億4000万円で単年契約を結んだ。

労働組合・日本プロ野球選手会の会長としては年俸非公開を希望する選手について報道陣へ要望を出したが、自身は「それもプロ野球の1つの仕事」と減俸額も明言。坂倉将吾の捕手専念でレギュラー争いの激しさが増す来季も、威風堂々とカープを引っ張り抜く。(金額は推定)

 

会沢は今年もあえて金額を隠さなかった。年俸の増減を問われると「ダウンです。(減額は)4000万円です」と即答。「いや、もう仕方がない。この世界はそういうモノなので。やれば上がるし、やらなければ下がる。それがプロ野球ですから」。時折笑顔も交えながらわが道を貫いた。

広島の要は今、労働組合・日本プロ野球選手会の会長でもある。今月5日の定期大会では年俸非公開を希望する選手について「メディアの方には推定も含めて必要以上に聞かないでいただきたい」と要望していた。一方で、自身は減俸幅まで迷うことなく明言。「あれはもう本当に個人の自由というところで。僕はそれもプロ野球の1つの仕事だと思っているので、言わさせていただきました」。堂々たる振る舞いが実に頼もしく映った。

3年契約最終年となった今季は98試合出場で打率2割7厘、3本塁打、33打点。来季は主軸へと成長した坂倉の捕手専念が決まっており、レギュラー争いの激しさは増す。今オフもパフォーマンス向上をサポートする施設「上達屋」などで股関節、体幹を鍛え抜く予定。1月は例年通り堂林と護摩行にも足を運び、丁寧に準備を整える。

「今までもたくさんいい捕手がいた。やるべきことは変わらない。優勝した時の歓喜、ビールかけがまだ忘れられない。優勝はいろんな人が活躍しないと難しい。みんなが切磋琢磨(せっさたくま)していい成績を残せれば、いい位置に絶対に行ける」

とにかく頂点に立つために-。カープが誇るリーダーが23年も身を粉にする。【佐井陽介】

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