東都大学リーグの青学大が5日、相模原市の同大グラウンドで始動した。

例年、練習始めは「休み明けの体をほぐし、チーム内のコミュニケーションをはかる」という理由で、他種目のスポーツを採用。この3年間はサッカーだったが、今年はフライングディスク競技のアルティメットを行った。7人1組で4チームに分かれ、ディスクをパスしながら、体をほぐした。慣れない競技に、選手たちは四苦八苦しながらも、笑顔で声をかけあい、グラウンドは活気であふれた。安藤寧則監督(45)は「みんないい顔で帰ってきてくれた。地元でいい刺激をもらったんでしょう。いいスタートを切れました」と、選手たちの生き生きした表情に目をやった。

今年のドラフト候補に挙がる最速153キロ右腕コンビの常広羽也斗投手(3年=大分舞鶴)と、下村海翔投手(3年=九州国際大付)も元気にドラフトイヤーをスタートさせた。

常広は高校卒業後、初めて母校を訪れた。「これまでコロナ禍もあって行けなかったんです」。3年ぶりの母校。当時は走り込みに、投げ込みと、このグラウンドが大きく感じていた。3年ぶりに見るグラウンドは小さく見え、自分の野球の世界が大きく広がったことを実感した。「自分のレベルが上がったんだな、とあらためて思いました」。

昨年は、チームの絶対的なリリーフとして活躍した。「今年は先発できるように、練習していきたい」と話し「最終目標はドラフトで指名されることです」と力を込めた。

下村は地元の声援に心を動かされた。中学時代に在籍した宝塚ボーイズでは恩師の奥村幸治監督に「自分の長所にしっかりと自信を持ってやればいい」と背中を押された。昨年は、同級生の常広の活躍にライバル心を燃やした。「負けたくはないけど、自分には自分の投球スタイルがある。自信のある直球で勝負していきたい」と、自身を見つめ直すきっかけをつかんだ。「お世話になった方々への恩返しの意味でも、今年はやることはやる」と、ドラフトへ向け、覚悟を決めた。

チームは今年、「リーグ優勝、日本一」をテーマに掲げた。この日、体調不良で主将の中島大輔外野手(3年=龍谷大平安)は練習不参加。代わりに取材に応じた副主将の中野波来外野手(3年=大阪桐蔭)は「去年は春はプレーオフで順位決定戦へ。秋はあと1勝で優勝を逃した。1勝の重みを感じた1年。今年はそれを生かして、必ず達成したい」と話した。悲願のリーグ優勝、そして日本一へ。チーム一丸で頂点をつかみとる。【保坂淑子】