今秋のプロ野球ドラフト会議の指名候補を「ニッカン・オリジナルカード」付きで紹介する新春企画の第2弾は大学生編。最速155キロ左腕の東洋大・細野晴希投手(3年=東亜学園)と強肩強打の上武大・進藤勇也捕手(3年=筑陽学園)、最速153キロの大商大・上田大河投手(3年=大商大高)に注目する。

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大学NO・1左腕が勝負の1年に挑む。東洋大・細野晴希投手にとって、昨春の中大との入れ替え戦が大きな糧となった。

1戦目に先発し自己最速の155キロをマーク。6回1/3を無失点に抑えチームを勝利に導き、1部昇格に王手をかけた。2戦目は登板なくチームは敗れで、3戦目で再び先発のマウンドを託された。7回無失点と好投したがサヨナラ負けを喫し、3季ぶりの1部復帰はならなかった。「自分が途中で降りてしまったのが敗因。もう絶対にこんな思いしたくない」。この悔しさが、大きな成長へとつながった。

さらなる進化のため、体作りにも力を入れている。「フォームが乱れてしまうと思って避けていた」という上半身中心のウエートトレーニングを行い、食事にも気を使うようになった。「米だと変な太り方をしてしまう」と、鶏の胸肉や卵を中心に摂取するなど栄養を気にした食事を心がけ、体重も5キロアップの86キロに。「狙って150キロを出せるようになった」と、体力強化の効果を実感する。

高卒でプロ入りしたロッテ佐々木朗希投手(21)は同世代。昨秋には侍ジャパン入りをするなど、球界を代表する右腕の1人になった同学年の姿も、新たな糧になる。「プロのレベルの高い世界での4年間と大学での4年間は、気持ち的にも技術的にもかなり差がある。プロでおいて行かれないようにしたい」。1年後に同じ舞台に立つ姿を思い描きながら、大学ラストイヤーでさらなる成長を遂げる。【星夏穂】