「開幕1軍」へ。焦らず、じっくり準備を整える。

楽天ドラフト6位の林優樹投手(21=西濃運輸)が15日、仙台市内で行われた新人合同自主トレ第2クール2日目に今年初のブルペン入り。捕手は立ったまま、直球のみ25球を投じた。「1カ月ぶりくらいに傾斜で投げました。一番は感覚を確かめたかった。思っていたよりも良かったです」と汗をぬぐった。

投手の生命線とも言える「制球力」で勝負していく。15球を投げ終え、ラスト10球は内外角への投げ分けを意識した。右打者の内角を突く左腕特有のクロスファイアに左打者のアウトロー。「コースへ投げないと自分の良さは出ない。左打者への外角、右打者への内角は自分の中で一番大事にしています」と言う。

周囲は気にしない。自分の強みを信じる。前日14日には、ドラフト1位荘司康誠(22=立大)、同2位の最速155キロ右腕・小孫竜二(25=鷺宮製作所)の2人がブルペン入り。室内練習場にはミット音が響き渡り、横目で見ていた林は「(荘司と小孫の)球速いなと思って」と本音を漏らし「自分は力いっぱい投げるのではなく、打者に力が入っているのか分からないくらいの力感で投げられたら抑えられると思う」。球速よりも質にこだわり、プロの世界でも持ち味を貫いていく。

2月1日からのキャンプ(沖縄・金武町)では1軍スタートが確定しており、同中旬には練習試合で実戦デビューする可能性もある。「今年1年、勝負だなと思っています。焦らずに、ゆっくりやっていきたい」。地に足をつけ、「開幕1軍」入りを目指す。【佐藤究】