「投げる哲学者」が「変化球バイブル」を学ぶ。WBC日本代表に選出されたDeNA今永昇太投手(29)が、多彩な変化球を操るパドレスのダルビッシュの教えで、さらなる進化を目指す。「変化球が苦手なのでダルビッシュさんの変化球の感覚、僕のフォームとか投げ方に合った球種は何かというのをアドバイスいただけたらうれしいです」と目を輝かせた。

事前の準備も進める。普段からダルビッシュのYouTubeや動画をチェック。今永自身が課題とするスライダー、カットボールに言及した映像を目にし「どんな握りだろうが、スライダーを投げられると。どんな変化でも作り出せると話されていたので、それについてお聞きしたいです」と具体的なイメージもふくらませた。

WBCへはポジションを問わず、フル回転する覚悟を示した。昨年12月24日に侍ジャパン栗山監督から電話を受け「どんな状況でも必ず自分の力を発揮します」と決意を告白。「不思議だなと思ったのが、あれほど日本代表に入りたいと願っていたんですけど、いざお電話をいただいて、少しだけ恐怖心を感じた」と日の丸の重みを実感した。

心と体もWBCへ集中する。この日は熊本・天草市内で自主トレを公開。WBC公式球でマウンドから立ち投げで32球投げた。今オフから可能な日は毎回ブルペンでボールを投げる調整法を取り入れ「特に不安もなく投げられています」と手応えを示した。自主トレ用に用意したTシャツの色は偶然にもゴールド。WBCでも同じ色のメダルを首からかける。【久保賢吾】