強い家族をつくる。前日に46歳の誕生日を迎えた広島新井監督が31日、キャンプ地の宮崎・日南市入りした。

指揮官として初めて臨むシーズンを前にした大事な準備期間。家族と表現するチームをより強固な集団とする重要な1カ月が始まる。「勝つために。ということを気持ちの中心においてくれと話しました。勝つためにどうしたらいいかが一番の最優先事項になる」。

春季キャンプでは6日から現地入りする2軍と積極的な入れ替えを考えている。1軍だけでなく、2軍も含めた競争によるチーム力向上を推し進めていく。

競争が始まる。新井監督が最も熱い争いを期待したのは「中継ぎでしょう」。チームの課題でもあり、絶対的守護神栗林につなぐまでの形が定まっていない。新戦力を含めたハイレベルな争いを期待する。開幕投手についても「白紙状態」と明言。「今の段階では全く決めていない。自分の目で見てみないと何とも言えない」。各投手の調整や姿勢を見ながら、コーチ陣と相談して決めていく。

また、ミーティングでは、シーズン中の試合後に勝敗関係なくスタンドにあいさつする方針を明らかにした。昨季まで勝利試合のみ、グラウンドに整列してあいさつしていたが、今季は敗戦試合でもファンに姿を見せる。「うれしいときも、悔しいときも、楽しいときも、悲しいときも、すべてをファンの人と共有しながら頂点を目指して頑張っていきたい。感謝の気持ちを伝えたい」。ファンも家族の一員。入場制限が撤廃される春季キャンプ前に、伝えることを決めていた。

「プロ野球選手は見られてナンボ。その中でどれだけやれるかというのが、プロ」。春季キャンプから、多くのファンの訪問を歓迎。温かさとほどよい緊張感の中、新井カープの内なる戦いが幕を開ける。【前原淳】

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