巨人大勢投手(23)が、整える。4日、宮崎キャンプで3度目のブルペン登板を行い、26球を投げ込んだ。1年目の昨季、シーズンを戦う中で徐々に下がっていった肘の高さを含め、投球フォームを再構築。12日紅白戦での登板を想定し、徐々に実戦形式を取り入れる。メンバー入りしているWBC侍ジャパン合流前に、1段階ギアを上げていく。

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2カ月間作り直した土台が、再び肘を押し上げた。大勢は今キャンプ4日目にして、3度目のブルペン投球で26球を投げ込んだ。スリークオーターの特徴的な腕の角度に、大勢は「(肘は意図的には)上げてないっすよ。でも上がったっす。去年の今ごろと同じくらいですね」と自身の感覚を正直に話した。

ルーキーイヤーの足かせを払拭したかった。新人記録に並ぶ37セーブを挙げた昨季、疲労蓄積と同時にシーズンを追うごとに肘が下がっていく感覚があった。球威に直結しかねない状態で、57試合投げ抜けたのは、試合がある日でも調整だけにとどめず、トレーニングを欠かすことがなかったから。「1年間やって、疲労からのフォームの崩れもあったので、そこを改善するためにオフの2カ月間やってきたことを取り組んでいる」。2年目を見据え再構築に踏み切った。

土台を大きくした。狙いは球威増加と負担軽減。そのために肘の高さが鍵を握る。まずオフは朝5時から始める“日の出トレ”で下半身をいじめ抜いた。下にためたパワーを上半身、そしてボールへと伝えるため、ブルペンでは軸足の右膝を折る「カックン投法」で意識付け。「オフの2カ月間重点的にやってきて、はまったときはスムーズに上半身が動けているけど、まだまだだなっていうところは感じながら、試行錯誤しています」。剛速球を投げ込むため、よりスムーズな腕の角度が整いつつある。

12日の紅白戦での登板を見据え、第2クールから打者を立たせて実戦を想定してブルペン投球する予定。WBCを前に「いい球もあったんで、そういう球が増えていったらいいなと思います」。現状維持は選択肢にない。22年新人王の姿のまま、日の丸を背負うつもりはない。【栗田成芳】

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