ソフトバンクのドラフト2位、大津亮介投手(24=日本製鉄鹿島)が宮崎春季キャンプ4日目の4日、先発ローテーション入りをアピールした。フリー打撃でプロの打者と初対戦し、49球で安打性は4本。主軸候補の栗原から得意のカットボール、ツーシームで空振りを奪うなど、藤本監督も高評価した。体重63キロは今季のNPB投手最軽量だが、抜群の身体能力で右腕から最速152キロを投じる。“鷹の細腕繁盛記”に乞うご期待だ。

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体重63キロは今季のNPB投手最軽量。大津は「緊張しました」と言いながら、マウンドに立てば堂々たるものだった。プロ初のフリー打撃登板。しなやかに身長175センチの右腕をしならせた。直球にカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、ワンシームと多彩な変化球を織り交ぜ、上々の投球を見せた。

最初に対戦したのは栗原だ。21年には21本塁打を放った主軸候補。投げる前に球種を申告する形式だったが、内角へのカットボールで空振りを奪い、外角ワンシームでは空振り1つと見逃し1つがあった。「とってもいい収穫というか、自信になりました。変化球を、1軍の選手がどういう対応するか楽しみにしていたのでいい機会になりました」。次に打席に入った同期入団のルーキー生海(いくみ)と合わせて49球を投げ、安打性は4本に抑えた。

投球を見守った斉藤和巳投手コーチは「上々でしょう。思ったよりスピードも出ていた」と評価。藤本監督は「球種が多いということで、面白いんじゃないかな」と最速152キロ右腕に大きな期待を寄せた。今後は適性を見極めながら、先発候補としての可能性を探っていくことになりそうだ。

社会人出身右腕の意識も高い。「自分では少し満足できた」としながらも「真っすぐの低めのボールを簡単に拾われている。そこをもう1つ出力を上げられたらと思いました。真っすぐが速いと思われないと変化球も生きない」と課題も挙げた。この日投げた球種以外にスプリットも持ち球。「7色の変化球」をより強力な武器にするためにも、キャンプでは直球に磨きをかける意気込みだ。

すでにチーム全体の課題も把握している。「去年、四死球がオリックスより100個くらい多かった。その差を少しでも埋められたら失点数も減ると思う。先発で四死球を少なく、球数少なく、いい形で後ろにつなげられるような投手になりたい」。目指すは“鷹の細腕繁盛記”。楽しみなニューフェース登場だ。【山本大地】

◆今季のNPB軽量選手 日本ハム育成の阿部和広外野手(19)が体重62キロで最軽量。支配下及び投手では、ソフトバンク大津亮介が63キロで最軽量になる。軽量で活躍したソフトバンク投手の代表格は、11年に60試合登板した森福允彦で当時65キロ。52年の南海時代に最多奪三振を獲得した柚木進は69キロだった。他球団では、阪神小林繁が68キロ、オリックス星野伸之が71キロだったシーズンもある。

◆大津亮介(おおつ・りょうすけ)1999年(平11)1月13日生まれ、福岡県出身。九産大九州、帝京大、日本製鉄鹿島を経て22年ドラフト2位でソフトバンク入団。カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット、ワンシームと多彩な変化球を操る。サッカー日本代表のDF冨安健洋(24=アーセナル)は九産大九州時代のの同級生。175センチ、63キロ。右投げ左打ち。