日本ハムのドラフト2位金村尚真投手(22=富士大)が7日、沖縄・名護キャンプでライブBP(打撃投手)に初登板した。

万波と阪口を相手に直球で押し込む堂々たる投球を披露。力みから自慢の制球力が乱れる場面もあったが、プロでは初めてとなる実戦形式のマウンドで多くの手応えと課題を得た。順調なら“プロ初登板”が予定されている11日の紅白戦(名護)でのアピールへ向けて、予行演習を完了した。

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“プロ初登板”を前に、少し自信を手にした。実戦形式で打者相手に投げるライブBP。投げる球種を申告した上で臨んだが、パワフルな打撃が特長の万波と阪口を力強い直球で押し込んだ。「(打者が)真っすぐを張っている中でファウルを取れたのは、良かったと思います」と、収穫あり。計30球でストライク20球、ボール10球、安打性の当たりは5本。実力の一端を示した投球内容だった。

課題も手にしていた。高い制球力がセールスポイントだが、制御しきれないボールも多かった。「力が入って後ろ体重になって、前でボールを放せなかった。キレのあるボールが投げられず、弱い真っすぐがあったと思う」。プロ入り後は初めてとなる打者相手の投球。新庄監督ら首脳陣や先輩投手らも注目していた。「緊張はしなかった」と、普段通りを貫いたつもりだったが、力みから本来のフォームは崩していた。

それでも、周囲は一定の評価を与えた。投球をマウンド脇で見ていた建山投手コーチは「コントロールの方が目立つピッチャーなので、その中で押し込めたっていうのは好材料」と、期待値を高めた。次のステップは実戦デビュー。順調なら11日の紅白戦で、プロ初の実戦マウンドとなりそうだ。「まだ自分の力を出し切れていない。試合で、もっといい評価をもらえるように頑張りたい」と、さらなるアピールを誓った。

キャンプ初の休日だった6日は、ゆっくりと体を休めた。朝起きるのが苦手な右腕は「5日間も練習したので、すごく疲れていたのでアラームを気にせず眠りました」。心身を整えて臨んだライブBPで140キロ台中盤の直球に加え、100キロ台のカーブでは空振りも奪った。スライダー、チェンジアップも披露。「プロは狭いんだな」と、大学時代とは違うストライクゾーンへの対応も今後の鍵だが、一番の収穫は「しっかり自分の全力を出し切れば、抑えられると思います」という自信を得たことだった。【石井翔太】

▽日本ハム新庄監督(金村のライブBPを見て感じた課題について)「やっぱり打者が打席に立っている時の意識ってタイミングなんですよね。きれいなフォームでグッと投げるのと、昨年からずっと言ってたタイミングを狂わせて投げるというところは建山コーチが、どう変えていくか」

○…福田が1軍の沖縄・名護へ合流した。5日の紅白戦で3回に登板し、3者凡退に打ち取る内容だった。「紅白戦に合わせて調整して、いい結果が出た。やっとスタートライン。落ちないようにしがみついていければ」と語った。次の実戦でも好投を見せ、開幕1軍へアピールを続ける。「(次も)3者凡退で」と、次戦も最高の結果を残し、激しい競争に打ち勝つつもりだ。

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