ロッテの黒木知宏投手コーチ(49)が18日、オープン戦雨天中止が決定したZOZOマリンでの練習後に取材に応じ、WBC準決勝メキシコ戦(日本時間21日、米マイアミ)での先発登板が有力視されている侍ジャパン佐々木朗希投手(21=ロッテ)への思いを問われ、「強い男になって帰ってきてほしいですね」と熱いエールを送った。

「朗希ね~」。佐々木の話題になると目尻が下がった。「ロッテの投手コーチという立場で見ると、とにかく何も不具合が起きなければというところだけです」と心配する親心。一方で「野球人、野球ファンとすれば世界一になるためにどれくらいのピッチングをしてくれるかすごい楽しみにしているし、ねじ伏せてほしいなって。圧倒するピッチングを僕は見たい。だから、いろいろな心のはざまになっている感じがあるんですよ。帰ってきた時の調子がちゃんと投げられるかどうか心配になりながらも、一生に1度かもしれないしと思ったら目いっぱいいってほしいっていうね」と複雑な心境も明かした。

帰国後は、投手コーチとしての次の仕事も待っている。昨秋のシーズン終了後からWBC使用球に順応するため、NPB球からは遠ざかっている。今度はNPB球に戻す作業に着手する。佐々木にとっても初の経験であるし、対応力にも個人差は大きい。「もちろんプランは立てています。でも実際にボールを投げてみてからじゃないと分からない」。慎重な姿勢は貫くつもりだ。「いまは完全にWBCのボールという体のつくりで、そのボールの重たさとか縫い目だったりに適応してる体になっているわけですよね。それが日本のNPBボールに変わったときに、すごい指先はデリケートなので、この感覚がもしかしたらずれちゃうと、秋から投げているピッチングフォームが変わるかもしれないとかっていう不安要素もあるんですけれど。でも体って絶対に覚えているので、そこに戻すのに時間がかかるのかかからないのかは、その選手によって違うんじゃないかなと思いますね」。帰国後にどのタイミングで実戦復帰するかは、断定は出来ない。佐々木の体、肩、心の、疲労や消耗度合いも加味しなくてはならない。1軍公式戦ぶっつけ本番なのか、シート打撃(もしくはライブBP)なのか、それとも2軍戦で投げるのか-。吉井理人監督(57)を中心に、臨機応変にNBP仕様への佐々木朗希復帰計画を進めていく。【鎌田直秀】

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