あるで、セ界史上初! 阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)は、セリーグ新人では初のオープン戦首位打者フィニッシュに期待がかかる。18日のヤクルトとのオープン戦は雨天中止となったが、現状オープン戦11試合出場で12球団2位の打率3割4分5厘。新人でのオープン戦首位打者は14年ロッテ井上が最後で、セ・リーグでは1人もいない。虎の背番号1が史上初の快挙に名乗り出る。

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全12球団で2位のオープン戦打率3割4分5厘-。つい浮かれてしまいそうな数字を目の前にしても、森下に慢心はなかった。「あまり気にせず…。そこの成績に(目が)行くと、欲が出てしまうと思うので」。地に足のついたコメントが余計に、セ・リーグ新人史上初の快挙を予感させる。

オープン戦に限れば、14年ロッテ井上がドラフト制度後の新人では初めて首位打者を獲得している。それ以来、セ・パ問わず首位打者に輝いた新人は1人もいない。阪神では2年先輩の佐藤輝が21年にオープン戦6本塁打を放ち、同制度後では史上初めて新人本塁打王に輝いている。今度は森下が歴史を塗り替えるかもしれない。現時点の首位打者は巨人オコエで打率3割5分7厘。まだまだ射程圏内だ。

1年目の春から快進撃を続けている。10日の日本ハム戦でプロ1号を放ち、チームの23年甲子園初勝利に貢献。14日敵地DeNA戦では地元横浜で2号2ランを含む2安打を決め、生観戦した両親を感激させた。右足の肉離れで沖縄キャンプは2軍スタートとなったが、出遅れを一気に巻き返して今や開幕右翼の最有力候補に。「上げられるところは全然まだある。もっともっと突き詰めたい」と向上心は尽きない。

この日は敵地ヤクルト戦が雨天中止になり、神宮室内で練習。「ウエートがあまりできていなかった。今日はそれもできて良かった」。プロ初の試合中止もプラスに考えられる姿勢が頼もしい。「(今後)対策されるのはもう分かっている。それを先読みして、しっかり頭で考えて試合に臨みたい」。もちろん本番はシーズン。勢いのまま、セ界初のオープン戦首位打者獲得も通過点にしたいところだ。【三宅ひとみ】

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