中日立浪和義監督(53)が「失踪セットアッパー」に見切りをつけ、投手陣の再整備へかじを切った。巨人との開幕戦を翌日に控えた30日、敵地東京ドームでナイター練習。予定の29日に来日せず亡命の可能性もあるロドリゲスについて「もう帰ってこないでしょ。いなくなった人のこと言ってられない。次に進まないと」と気持ちを切り替えた。

第1弾は、代役指名だ。守護神マルティネスへつなぐ8回の男は、昨季最優秀中継ぎのロドリゲスが務めるはずだった。その穴は本来7回を投げる清水を前倒しし、空いた7回の担い手として4投手の名前を挙げた。「勝野、祖父江、山本、田島らで、7回を補っていかないといけない。調子いい人を当てはめながら、当面はやっていく。早い段階で7回はこの投手というのを決めたい」。この競争から「新勝利の方程式」を構築するつもりだ。

もちろん、負担はリリーフだけに背負わせない。立浪監督は「開幕の緊張で投げるので、初めはそういかないが」と条件をつけた上で、先発陣の発奮も促した。「ロドリゲス、マルティネスがいたら甘えてしまう部分はある。7回に清水がいて、去年も6回でいいような感じになりつつあった。最低7回を先発に求めたい。数名は投げてほしい」。開幕投手の小笠原を含め大野雄、柳、涌井、福谷、高橋宏の開幕ローテ陣からイニングイーターが増殖することを願った。

練習前の円陣で就任2年目の指揮官はナインに訓示した。「今年1年、ピンチであれ、チャンスであれ、強い気持ちを持って、相手にも自分にも負けないように。その気持ちを持ち続けてやっていこう」。開幕直前のピンチをチャンスに変えて、逆襲の開幕戦に臨む。【伊東大介】

【関連記事】中日ニュース一覧