阪神青柳晃洋投手(29)はまたも雨にぬれながら7回1失点と粘投したが、08年安藤優也以来となる阪神日本人開幕投手の2戦2勝を逃した。

23年甲子園開幕戦となったヤクルト戦。観客席には黄色のポンチョが散見された。もちろんマウンドの状態も良くない。それでも「雨柳さん」の愛称を持つ「雨男」は難なくゲームを作った。6回まで2安打無失点。だが1点リードの7回、先頭オスナに122キロスライダーを捉えられ、バックスクリーン左に同点ソロを運ばれた。この回限りで降板し「任せてもらったイニングをゼロで帰ってこれなかったことが悔しい」と唇をかんだ。

とはいえ、そのマウンドさばきには風格すら漂っていた。すでにプロ通算で先発予定だった12試合が雨天中止となっている。予告先発を導入した12年以降では球団最多記録の持ち主。この日も試合前から断続的に雨が降り続き、1回の攻撃途中には約20分間の中断もあった。その後、阪神園芸による整備も効いて試合再開。イレギュラーな展開にも動じなかったのはさすがだ。初回からノイジーの好捕などにも助けられ「難しいところはあったけど、守備が良かったので助けられた」とバックをたたえた。

3月31日の開幕DeNA戦は6回途中2安打1失点で今季初勝利。この日も今季甲子園初の「ピッチャー青柳」アナウンスに聖地全体が沸いた。今や押しも押されもせぬエースとなった男は21、22年の2年間でヤクルト相手に7勝2敗、防御率2・55。23年も「ヤクルトキラー」として王者を苦しめる。【波部俊之介】

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