阪神佐藤輝明内野手(24)が、泥臭いプレーで定位置返り咲きをアピールした。5回途中5失点で降板した青柳に代わり、「9番三塁」で途中出場。守備に就いた直後、2番手富田が伊藤に三塁線への痛烈なゴロを放たれるも、佐藤輝が飛びついて好捕。そのまま一塁へ矢のような送球でアウトに。この日のファーストプレーで体を張り、追加点を許さなかった。

「途中からでも関係ないので、集中していました」

打撃でも意地を見せた。6点を追う7回無死一塁で回ってきた第1打席、フルカウントからDeNAエスコバーの低め155キロをたたきつけ、打球は高いバウンドで一塁手の頭上を越え右前へ。しぶとい打撃でチャンスメークし、後の中野の中犠飛につなげた。

打率1割台と低迷し、2試合連続でスタメン落ちの屈辱を味わった。三塁には連日渡辺諒が入り、定位置が遠のきつつある。5回の好守備にも岡田監督は「いやいやまあ、それはたまたまやろう」と渋い表情。9番に佐藤輝を入れたことについて「あんまりピッチャーを使いたくないからな。それでああいう形になっただけ」と説明した。

試合前のフリー打撃ではハマスタのバックスクリーン右下に当てる大飛球を放つなど、27スイング中で柵越えは10本。「それがなくなったら終わりなので」と持ち前の強いスイングを披露し、復調の兆しは見せている。最後は「頑張ります」と短い言葉に思いを込め、球場を後にした。悔しさは結果で晴らすしかない。【古財稜明】