オリックスが、塁上に1人も走者を背負わない、珍しい勝利を挙げた。楽天に唯一許した安打はソロ本塁打。四死球や失策もなく、相対した打者は28人だった。

先発の山崎福が7回2死まで投げ、比嘉、山崎颯から9回はワゲスパックがパーフェクトでつないだ。試合時間は2時間21分で、チーム最短だ。決勝1号ソロの中川圭は「守備の時間がすごい短いなと思いました」。今季初勝利の山崎福は調子のよかった直球を軸に、緩急自在で楽天を寄せ付けなかった。レアケースに「なかなかない。今までないと思いますね。次の日も試合があるので良かった」と振り返った。

中嶋監督は好投の山崎福を「1球1球集中して、しっかり投げたと思います」と評価した。抑えの平野佳が休養日。代役抑えを務めたワゲスパックをはじめ、最近は自慢のブルペン陣がやや不安定だったが、接戦を勝ち切った。

「点差が点差だし、1安打とか、そんな感じはしなかったですけどね。やってもらわなきゃ困る人たちがそろそろエンジンかけてこなきゃいけない」。中嶋監督は投手戦を連日制し、ホッとしたような表情だった。【柏原誠】

○…中川圭の1号ソロが決勝点になった。同点の5回、藤平の147キロ直球を左翼席に運んだ。「いろいろ試行錯誤をしていた中で打てた。久しぶりに自分のスイングができたと思います」と納得の表情だった。今季初めて「1番」で先発。6番、3番、4番、9番とフレキシブルに対応。一塁も外野も守り、昨年同様に中嶋監督の猫の目打線を支えている。

▼楽天は太田のソロ本塁打以外に1人も走者を出せなかった。ソロ本塁打による1安打で完全試合を免れたのは、05年5月20日にロッテ李承ヨプが中日川上から8回の本塁打で阻止して以来18年ぶり4度目。

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