まさか…逃げ切れず-。日本ハムが2年ぶりの最下位脱出に大失敗した。楽天4回戦は5回に一挙7得点を挙げて最大6点リードを奪った。大勝ムードが漂ったが、試合後半は拙守なども重なって追い上げられ、今季2度目のサヨナラ負けを喫した。勝てば楽天と入れ替わって単独5位浮上の大チャンスを逃した。

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嫌な予感が、現実となってしまった。新庄監督は試合後に開口一番で「なんちゅうゲームや」。5回表を終了した時点で、最大6点リードがあった。それでも、逃げ切れなかった。最終的なスコアは7-8。一番面白いと言われる“ルーズベルトゲーム”で今季2度目のサヨナラ負けとなった指揮官は「悔しいけどね…ゲーム的には面白かったですけど」と大逆転負けを形容した後に言葉を続けた。

新庄監督 余裕もあってね。でも、気を抜いたわけではないんだけど。余裕があると…。どっかに余裕ができたのかなと。ちょっと打線がつながりすぎて、ベンチ前でキャッチボールを何十分もしてたから、それがちょっと気になった。

1点を追っていた5回は打者12人の猛攻で7得点。開幕戦で抑え込まれた田中将をKOし、大きなリードを奪った長い攻撃は約40分間。かなり冷え込んだ夜の仙台で、楽天を大きく揺さぶった代償は、先発加藤貴にも及んだのではと指揮官は振り返った。

6点リードとなった直後の5回の守備。新庄監督が心配していた加藤貴が1死から安打を浴びると、バックの守備も乱れた。小郷の一ゴロで併殺を狙った一塁手の万波が慌てて捕球できず、オールセーフ(記録は内野安打)。広がったピンチで加藤貴は島内に2点適時打を浴びた。さらに2死一、二塁から4番フランコの右翼前方への飛球も万波が追ったが、捕球できず。この回の3失点が、大逆転負けの発端となった。

この日は打撃好調の清宮を左脇腹痛で欠いた。守護神の石川も左内転筋痛で22日の登録抹消が決定。打線は一気の集中打で清宮不在をカバーしたが、田中正を代役守護神に立てた救援陣はバタついた。それでも長いシーズンは、すぐに悔しさを取り返せる試合がやってくる。22、23日と連勝すれば、最下位脱出は可能。「まあまあ、明日はまたね、今度は逆にウチが逆転する野球を見せたいと思います」。新庄監督は前向きな言葉で締め、球場を後にした。【木下大輔】

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